2008年(リーマンショック直後)と2020年(コロナ直前)と2025年(最新※取材時)の過去問出庫数ベスト20の一部 提供=声の教育社
「御三家狙い」はもう古い?中学受験の現場で、親世代の常識が通用しない事態が起きています。その証拠となるのが、嘘をつかない「過去問の売れ筋データ」です。2008年から現在までのランキングを比較すると、偏差値だけではない「人気校」の劇的な変化が浮き彫りに。共学化の波、サンデーショックの余波、そして意外な品切れ続出の背景とは?数字が物語る、最新の受験トレンドを読み解きます。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
コロナ禍でどう変わった?
過去問の出庫数ランキング
――近年は受験生の学校選びが多様化していると言われていますが、過去問の販売実績から見えてくる中学受験情勢を教えてください。
リーマンショックがあった2008年、コロナの緊急事態宣言が出た2020年、そして最新(※2025年10月取材時)の2025年の弊社過去問出庫数ベスト20を比較した表です。要するに売れた順ランキングです。
言い方を変えるならば受験者数が多い学校順とも言えます。リーマンショックや東日本大震災の後には中学受験率は減少傾向でした。 少し復調してきた頃にコロナが蔓延(まんえん)するという事態になったんですが、受験率は下がるかと思いきや逆でした。
その傾向は今でも続いており、首都圏模試センター調べでは、今年の2025年入試の首都圏の私立・国立中学校の受験者総数は5万2300名(前年比99.6%)で過去40年で3番目に多い受験者数、過去2番目に高い受験率(18.1%)でした。コロナの時期に「学びを止めない私学」という報道が盛んになされたことも大いに影響していて、それが一般の方々にまで浸透したと感じます。
中学受験は社会情勢にも左右される面が多々あり、このランキングにも時代の風を感じます。
例えば、2008年と2020年を比較しますと女子学院、早稲田実業、大妻、都立中高一貫校はランク外に、2020年と2025年では麻布、豊島岡、明大中野がランク外になっています。青の囲みになっている学校は2008年にはランキングされていなかったのですが、2025年には出庫数ベスト20に入った学校です。







