――先ほど、茨城県立の過去問が売り切れたとおっしゃいましたが、そもそも発行数はどうやって決めているんですか?
もう大変です、社員総出で情報収集(笑)。「あの学校は来年、校長が変わる」「広報部長にあの先生がなる」という情報を皆で持ち寄って、刷り数を百部単位で決めます。練りに練っていますが、読み間違えも結構あります……。今年は女子学院が9月下旬にはもう品薄になってしまったんです。何故そうなったかと言うと※サンデーショック。
※サンデーショック=東京・神奈川の中学受験の解禁日である2月1日が日曜日に重なる年に入試スケジュールが大きく変動する現象を指す。一部の私立ミッションスクール(特にプロテスタント校)が宗教的理由(日曜日は礼拝をする日)から入試日を2月2日以降にずらすことで生じる。2026年のサンデーショックでは女子学院が2月2日に入試を移動させる一方で、フェリスや横浜雙葉は従来通り2月1日に実施と発表。普通の年では日程が重なり併願できない「1日校」である桜蔭と女子学院、女子学院と雙葉という女子御三家の併願も可能になる。それによって通常とは異なる受験生の動きが出るために、特に女子の併願スケジュールに多大な影響が出ることで知られている。
上位男子校にはプロテスタント校は少ないので、サンデーショックの影響は女子校ほどではありません。しかし、女子の併願パターンが複雑化するために、その余波で共学校も出願者数に変動が出やすくなります。
来年はまさにサンデーショックの年ですが、男女ともに最難関校を受験する層の子たちが御三家ではなく渋谷教育学園渋谷や広尾、三田国際科学などの人気や実績を伸ばしている共学校を志望する傾向もあります。女子校志望者であっても、1日桜蔭、2日に女子学院を選ぶ子は少ないと踏んで刷数を増やさなかったんです。
ところが、2日は難関共学校ではなく女子学院にチャレンジするという動きが現時点ではあるということになります。つまり、サンデーショックではなくサンデーチャンスだと捉える方が多いということですね。このように、サンデーショックの年は例年以上に出願動向に変化が起こる可能性があり、プロであっても予測が難しくなるので注意が必要になりますね。







