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SNSや説明会のオンライン化により、今や保護者が塾を通さずに学校情報を得られる時代になりました。“塾の先生より詳しい親御さん”も増えています。しかし、その豊富な知識が、かえって子どもの可能性を狭め、併願戦略で致命的なミスを招く恐れがあることをご存じでしょうか? 親が陥りがちな「独断のリスク」と、プロにしか見えない“合格への近道”について解説します。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
親は手に入れられない、
塾だけが知っている情報
――前回は2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、さらに2020年の新型コロナウイルス感染症の大流行という危機があったにもかかわらず、その度に私学が復調してきた歴史についても触れていただきました。
今の中学受験の状況というのは、本当にコロナ前後で大きく変わりました。
そのひとつにご家庭の情報収集が挙げられます。学校からの情報発信は学校を会場とする説明会、複数の学校が集まって大きな会場を借り切って行う合同説明会、そして塾主催の学校説明会といったものがあります。コロナ以前では、まずは塾の学校説明会で志望校になりうる学校情報をつかむのが普通でした。
ところが、コロナで緊急事態宣言が発令され、学校が休校期間に入ったあたりから、私学自身がきめ細やかな情報発信をし始めたんですね。
オンライン授業や生徒の様子も含め、SNSを駆使して誰でもがその学校の動向を見れるようにしていったのです。中には山脇のようにLINEで受験生家庭と繋がるようにした学校もあります。受験生の家庭が現場に来れないならば、こっちから行こう!という流れは一気に広まっていきました。







