中国の買いで急騰したプラチナ、モノ不足でやはり急騰の銀は
2026年も金に“連れ高”して上昇する可能性が大!

 ここからは、金と同じ貴金属のプラチナ・銀価格の見通しについて見ていこう。

 まずはプラチナから。プラチナ価格も金と同じく2025年に急騰。11月末までに年初比で90%も上昇しており、実は金よりも上昇幅は大きい。上昇の主な要因は、中国が大量に買い付けたことだ。池永さんによると「プラチナの年間生産量約170トンに対し、中国は2025年10月末までに約80トンを輸入しています」と話す。亀井さんは、これを「国家備蓄的な買い」だと指摘する。

 また、プラチナは産業需要が6割を占めており、宝飾品としての需要が大きい金とは性質が異なる。吉田さんによると「欧米でEV(電気自動車)一辺倒からハイブリッドシフトが進行し、自動車触媒としての需要が高まっています」とのこと。

 プロが共通で指摘するのは「金に対して割安すぎる」という点だ。「金が上昇しすぎたため、割安なプラチナに投資資金がシフトしています」(池水さん)。亀井さんと吉田さんも、引き続き金への連れ高を予想しており、プラチナ価格は2026年も上昇基調となりそうだ。

 続いて銀について見ていこう。銀は需要の50%が工業用。池永さんによると「6年連続で供給不足が続いていました。2024年10月には、供給不足をカバーしていた地上在庫がついに底をつく事態が発生しています」とのこと。実需でのモノ不足により、銀価格は急騰。2025年11月末までには、年初比で80%も上昇している。

 銀の工業需要のメインは太陽光パネルだ。吉田さんは「太陽光パネルは、環境破壊などで是非を問われている側面もあります。小型原子炉のような代替手段に移行するかなど、需要を取り巻く議論が2026年のトピックになりそうです」と注目する。

 亀井さんは、基本的には金価格への連れ高を想定。また「米国の個人投資家による投機的な動きもあり、急落など値動きの荒さには注意が必要」だと指摘する。金に比べると、銀はやや難易度が高い投資対象と言えそうなので、投資する際には慎重な姿勢で臨みたい。

本記事は、ダイヤモンド・ザイ2月号の内容紹介を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で運営しているものではありません。投資は自己責任において行ってください。