さらに、薬を飲んで体調に変化があったとき、発熱や下痢のような脱水に傾いている体調不良時に薬を服用した際にも血圧を測定し、数値に異常があるようなら医師に相談して、薬の量を減らす対処をしなければなりません。

 血圧の状態が把握できていなければ、そうした対応が遅れてしまいます。医師の指示にきちんとしたがって薬を飲むのは大前提ですが、さらに自分でもチェックしながら血圧をコントロールしていくことが、血管と心臓のトラブルから身を守る方法なのです。

座っているときは正常でも
寝ているときは高血圧

 血圧が高くなると、ポンプである心臓が全身に血液を送り込む際により大きな力が必要となり、それだけ心臓に負担がかかります。血管にも大きな圧力がかかるので、血管の内壁が傷ついて動脈硬化や瘤化が起こりやすくなります。

 すると狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、大動脈解離といった突然死の危険がある心臓疾患につながるのです。

 血圧を病院で測定した場合、「上(収縮期血圧)120mmHg未満」かつ、「下(拡張期血圧)80mmHg未満」がまぎれもない正常の範囲で、「上140mmHg以上」かつ、または「下90mmHg以上」になると高血圧と診断されます。

 血圧を気にして普段から血圧計で測っているという方も少なくないでしょう。ただし、血圧は測定する状況やタイミングによって数値が変化するので、正常値周辺の人は繰り返し毎日測定し、安静時にも測定する習慣を持つなどの注意が必要です。

 しかし、米国・ハーバード大学の研究者が米国心臓協会(AHA)の高血圧科学セッションで報告した研究では、「座位(座った状態)」での測定で高血圧と判定された人の74%が「仰臥位(あお向けで寝た状態)」での測定でも高血圧に該当し、座位では高血圧に該当しなかった人の16%が仰臥位では高血圧に該当していたといいます。

 つまり、「座っているときは正常でも、寝ているときは高血圧」という人が一定数いることがわかったのです。

臥位(寝た状態)→座位→立位の順で
上の血圧は高くなる

 さらに、座位と仰臥位の両方で高血圧だったグループは、該当しなかったグループに比べて冠動脈疾患の発症リスクが1.6倍高く、冠動脈疾患による死亡リスクも2.18倍高いという結果でした。