とりわけ、不整脈の一種である心房細動は、速歩きの人は遅い人に比べて46%もリスクが低下していました。研究者らは「手軽にできる健康促進の手段として、歩く速さに注目すべき」と述べています。
心臓の領域では、「プレコンディショニング」と呼ばれる現象が知られています。あらかじめ短時間の軽い虚血などのストレスを負荷させると心筋の虚血耐性が高くなり、その後の強いストレス(長時間の虚血など)による心筋障害が軽減されることを指します。
ウォーキングなどの運動をはじめ、心臓に適度な負荷がかかる速歩きは、プレコンディショニングと同様の効果が期待できるのかもしれません。
高血圧の人は
無理な速歩きは禁物
こうしたことからも、心臓に問題がない健常な人は、日頃から意識して速く歩くことを心がけると、不整脈をはじめとした心臓病の予防に役立つ可能性があります。
ただし、心臓にトラブルを抱えていたり、カテーテル、投薬、手術などの治療経験がある人は注意が必要です。過度な強度のウォーキングでは心臓に負荷がかかりすぎて、症状が悪化したり、病気がぶり返す危険があるのです。
心臓に負荷をかけすぎない=適度な運動というのは、「心拍数が130を超えない」程度が目安です。この数値は、最大負荷のひとつ手前に当たる「亜最大運動負荷」と呼ばれています。ウォーキングでは、心臓がバクバクしない程度の強度が亜最大運動負荷と考えていいでしょう。
心臓手術を受けたあとのリハビリでも、医師や看護師の指導のもと、有酸素運動を積極的に取り入れて少しずつ負荷を増やしていき、亜最大運動負荷の強度で運動を続けることが、その後の回復や再発予防のためにも重要になります。
ですから、心臓手術を受けたり、治療で管理している人、高血圧や不整脈といった循環器系疾患を指摘されている人は、亜最大運動負荷を超える無理な速歩きは禁物です。
担当医や看護師と相談しながら、自分に最適な強度のウォーキングを探しましょう。「これ以上は危ない」というポイントを見つければ、突然死や再発のリスクを減らすことができます。







