07年に開業すると、外国人やエイズウイルス(HIV)陽性者、セクシュアルマイノリティ、薬物依存症の患者ら医療差別を受けやすい患者の駆け込み寺的な存在となった。
診療所で治療できない患者は専門の病院に紹介するが、「外国人やHIV陽性者などの患者を紹介するのは今でも大変」と言う。あからさまに「うちはHIV陽性者を一切診ません」と言われたこともある。
生活習慣を指導・管理すれば
薬は長期処方で済む
谷口のクリニックでは、高血圧などの生活習慣病の場合、治療開始から半年ほどで8割以上の患者が3カ月の長期処方になるという。そのために力を入れるのが時間をかけた問診による生活習慣の指導・管理だ。
「食事も運動も睡眠もストレスも一度に全部やらなあかんわけじゃなくて、そういう話はある程度したとしても、『今回は○○についてやりましょう』と、ひとつに絞り込んでやる。食事であることが多いけど、運動であれば『運動しましょう』だけじゃなくて、どんな運動をどれぐらいの負荷をかけて、どれぐらいの頻度でやるか。目標は就寝時の心拍数を下げることなのか、あるいは体重を減らすことなのかと、そこまでやります。これ、患者さんの受けはいいです。『今日は急いでんねん』とか、そういう人を除けばね」
そうして患者の状態が安定してくれば、3カ月の長期処方にする。谷口に「診療所の中には、『お変わりありませんか』『ありません』で、処方箋を出して終わりというのも結構あるようです」と聞いてみると、「いや、なにか言うこと、あるんちゃいますか」と返ってきた。
「世間話的なことも含めて。食事とか運動とか、体重とかストレスとか。最近どこへ行ったとか、『生活、乱れてませんか』とか、聞くことはあるはずですけどね。良好なコミュニケーションが患者さんと取れていれば、患者さんの方からいろいろ言ってくるわけです。サプリメントの相談とか、会社のストレスとか、家庭不和の話とか。患者さんによりますが、僕は話が長いので、看護師によく怒られる。まあ、経営的には賢くないです」
食事指導は専門の看護師も行うという。
「うちの看護師は長いときは30分くらい話をしています。患者さんは医者の前では、ほんまのことを言わへんこと、よくあるんですよ。『ちゃんとやってます』と言うて。







