積極財政派・高市政権の誕生で医療機関支援強化へ、医師会は真水対応を要求もシワ寄せはやはり「薬剤費」に?製薬業界への影響は?Photo:JIJI
*本記事は医薬経済ONLINEからの転載です。

 10月4日、自民党総裁選で高市早苗氏が当選を決めた瞬間、地元・奈良県内のホテルに設けられたライブ中継会場で、支持者約300人が歓喜に沸いた。

「日本の夜明けが来た気持ちだ」

 そう挨拶したのは、24年の総裁選に向けて設立された支援団体「高市早苗を内閣総理大臣にする奈良の会」会長を務めてきた、奈良県医師会長の安東範明氏だ。万歳三唱の音頭を取りつつ、勝利の喜びに浸った。

 地元の医師会が高市氏を全力でサポートするのは、首相に就任した際の期待の表れでもある。高市氏は9月26日の総裁候補演説会で「地域の医療機関はかなり厳しい状況。過去2年分の人件費や物価高を反映して、早めに改定する」と、診療報酬の「期中改定」を明言した。秋の臨時国会で25年度補正予算を組み、引き上げに踏み切る考えを示した。新総裁に就任した10月4日にも「待っていられない状況」と述べ、26年度より前に改定する必要性を強調した。

 経済成長を優先する「積極財政派」で知られる高市氏が、首相の座に就くことで、薬剤費を含む医療費に対して、パイが膨らむことに“寛容”な政権となるのか。