SNSで性加害の情報が溢れていても
一向に逮捕・規制がなされない理由
そして私が一番の問題だと考えている三つ目の理由は、警察の児童ポルノ事件に対する認識の甘さだ。
これほどオンライン上での性加害が常態化し、問題になっているにもかかわらず、警察がこの問題に真剣に取り組んでいるとは思えないのだ。
XやDiscordなどのSNS上では子どもに対する性加害の情報があふれている。例えば、「電子マネーでいくら払えば中学生の性行為の動画を送ります」「リポストとフォローで女子高生のパンツなどを盗撮した写真をプレゼントします」といった投稿だ。
私はこの記事を書くにあたり、再度SNSを調査したが、調査から30分足らずで児童ポルノが売買・配布されているSNSアカウントを8件発見することができた。
児童ポルノを売買・配布する加害者の多くは、私物のスマートフォンやPCから直接投稿を行っていた。匿名化を施していない方法でこれらの投稿がされていた場合、警察はIPアドレスを調査すれば、簡単に加害者にたどり着けるはずだ。にもかかわらず警察は一向に逮捕・規制をしようとしないのである。
無修正アダルトビデオと比べて
児童ポルノの取り締まりが弱い理由
警察は無修正アダルトビデオの取り締まりなどには力を入れる一方で、多くの犠牲者が現在進行形で出ている児童ポルノ問題には予算や人員を割かない傾向がある。
この問題の背景には、先述のように日本人全体の児童ポルノに関する意識が低いことが挙げられる。
児童ポルノを厳しく取り締まったところで、現在の日本社会では「自分たちの生活とは縁遠い話」と捉えられてしまうため、実績を挙げたところで評価につながらないからではないかと考えている。
一方でアダルトビデオに関しては比較的世間の注目が集まっており、逮捕した際に世間的評価を受けられやすいため、警察は力を入れているのではないだろうか。
今回は個人間における児童ポルノの売買について、私が知る限りのことをお伝えしたが、児童ポルノを「ビジネス」として扱うのは個人だけではない。日本人の児童ポルノに関する意識の低さや、警察の取り締まりの緩さにつけこんで児童ポルノをビジネスとして扱う法人も多数存在し、その悪質さは個人間売買の比にならないほどだ。
後編では、ビジネスとして児童ポルノを扱う企業と、その実態および巧妙な匿名化技術について解説したい。
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>>【後編】「児童ポルノなど大量出品「盗撮画像を販売しませんか?」誘う広告も…サイト側は「先月も88商品を削除しました」と回答」は12月28日(日)に配信予定です
児童ポルノをビジネスにする企業や事業者たちは後を絶たない。児童ポルノが大量出品されているWEBサイトも現存しているという。







