アプリが消えても
児童ポルノはいまだ野放し

 私も調査に協力したTansaによる報道や、NHKによって取り上げられたこともあり、「アルバムコレクション」は2024年1月にサービスを終了した。こうした「写真袋タイプ」ともいえるアプリでの児童ポルノ売買は、現在ではほぼ見られなくなっている。

 だが、アプリが消滅しても、別の形で児童ポルノを販売されている。中でも私が最も悪質だと思っているのが、「アダルトコンテンツマーケットXXX」というWEBサイトだ。

 アダルトコンテンツマーケットXXXは、ユーザーが動画を好きな価格設定で販売できるマーケットプレイス型のサイトという建前を取っている。

 XXXでは、「ロリ」を示す隠語の「炉」や、小学生を示す「S」、中学生を示す「C」といった単語を含む動画が多数販売されている。

 サイト内の注意書きには「作品に登場する人物は18歳以上のモデルであり同意の上で撮影しております。法律及び条例に反する行為は一切行っておりません」という文言があるものの、販売作品の中にはダークウェブで販売されていたり、過去に写真袋やアルバムコレクションで販売されていた児童ポルノが多数存在しており、児童ポルノが野放しにされているのが現状だ。

 私が確認した限りでは、販売されている7635本の動画のうち、4000本程度が児童ポルノであると推測される。また、日本の法律に違反する無修正動画も大量に出品されている。

違法コンテンツのアップロードを
積極的に推奨

 そして、このサイトへの広告出稿を請け負うASP(広告代理店)「Golden Gateway」が提供する広告バナーには、「趣味で撮り貯めた盗撮画像・動画」「無修正AV動画」を「販売してみませんか?」という、明らかに違法なコンテンツの販売を勧誘する文言が記載されている。

児童ポルノなど大量出品「盗撮画像を販売しませんか?」誘う広告も…サイト側は「先月も88商品を削除しました」と回答Golden Gatwayが提供するアダルトコンテンツマーケットXXXの広告バナー。「趣味で撮り貯めた盗撮画像・動画」「無修正AV動画」を「販売してみませんか?」と勧誘する文言が掲載されている

 盗撮は刑法の性的姿態等撮影罪に、無修正動画の頒布はわいせつ物頒布等罪に該当する犯罪行為である。運営側が自らの広告バナーでこれらの販売を勧誘している事実は、違法コンテンツのアップロードを容認しているどころか、積極的に推奨していることを示す決定的な証拠といえる。

 では、これだけ児童ポルノが大量に販売されているにもかかわらず、なぜこのサイトは運営を続けられているのだろうか? その理由は大きく分けて2つあると考えられる。