児童ポルノの問題も
人間の尊厳に関わるもの

 前編でも少し述べたが、日本の警察はわいせつ動画に対しては厳しく捜査を行う一方で、児童ポルノに対しての取り締まりは及び腰になる傾向がある。無修正動画はアダルトビデオの売り上げを阻害し、産業の衰退につながるためこのような体制になっていると思われる。

 もちろん無修正動画の取り締まりも大切ではあるが、児童ポルノの問題も、人間の尊厳に関わるものである。現状、ビジネスの餌食となった被害者児童にとっては、自らの裸が自らの知らない場所で無制限に拡散されてしまうのが現状である。判断力のない子どもたちが被害に遭い、その記録が一生残り続けるというのは、あまりに酷なことだ。

サイト運営の意図が悪質なら
重い刑罰を

 この現状を変えるには、前述したプロバイダ責任制限法の改正が必要だと思われる。

 写真袋系アプリやコンテンツマーケット形式で児童ポルノの仲介を行う業者に対して「悪いことをしているのは利用者であって、自分たちではないから」という言い訳をさせないためには、サイト運営の意図を司法が判断し、悪質だと認定された場合には重い刑罰を科すようにしないと、児童ポルノが野放しにされる流れは続くだろう。

 私は児童ポルノを日本からなくすためには、社会全体が子どもを守るべき社会の一員として認識し「児童ポルノは許されないものだ」という風潮を形成する必要があると思っている。

 日本人の多くが児童ポルノを重大な犯罪と認識するようになれば、捜査機関の注力度合いも異なってくるし、軽い気持ちで手を出す人も減ってくるはずだ。その風潮は、これを読んでいるあなたが作るものだ。児童ポルノを肯定するような言説を見聞きした際は、毅然とした態度でそれを否定してほしいと思う。

ダイヤモンド・ライフ編集部の質問に対する 「アダルトコンテンツマーケットXXX」の回答は

 ダイヤモンド・ライフ編集部は「アダルトコンテンツマーケットXXX」に対して、児童ポルノや無修正動画が大量に出品されていることについて質問した。

 運営事務局からの回答は下記の通り。

《利用規約に違反している「認められない表現例」として「18歳未満を示唆する年齢の表記や性的対象とする表現が含まれている」に該当する児童ポルノの商品として判断できるものは順次削除しております》

《先月も利用規約に違反する商品を計88商品を審査して削除いたしました》

《現在、商品を審査する時間が限られており後手に回っている点はありますが、利用規約に違反している商品は審査して順次速やかに削除しております》

「Golden Gateway」に対しても、同社が提供するアダルトコンテンツマーケットXXXの広告バナーに「趣味で撮り貯めた盗撮画像・動画、無修正AV動画を販売してみませんか?」という文言が記載されていることについて見解を求めたが、期日までに回答はなかった。

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>>【前編】「え、ウソでしょ…児童ポルノが氾濫する日本で「少女たちを盗撮している犯人」の“衝撃の正体”【潜入写真あり】」を読む

retr0氏は調査機関の依頼を受けて調査する中で、児童ポルノが売買されるグループへ潜入することもあるというが、そこで見たものとは――。