よいリーダーを目指すあなたに、足りないものは何か――。それは、センスや経験ではなく、経営学の知識に裏打ちされた「考え方」かもしれない。書籍『リーダーシップの科学』は、最新のリーダーシップ論の知見まで網羅した1冊だ。本書の中では、リーダーシップにまつわるさまざまな研究も紹介されている。本記事では、その中からリーダーと創造性の関係にまつわる研究を一部抜粋・編集して紹介する。
Photo: Adobe Stock
創造性を生むリーダー
近年のビジネス環境を踏まえて、成果としての創造性を生み出すリーダーシップについても研究が盛んだ。創造的リーダーシップという概念も生まれている。コンコルディア大学のキャスリーン・ボイズらは、コミュニケーションと信頼が重要であると考え、実験を行った(注)。
彼らは、チームでレゴを用いて建築物をつくるタスクを通して、リーダーの行動と創造性の関係を明らかにしている。
実験では、「わがままで少しエキセントリックなハリウッドスターのための家の模型をチームで制作すること」がタスクとして与えられた。
実験を始める前に、参加者は変革型リーダーシップのうち2つの行動――「鼓舞するような動機づけ」と「知的な刺激」を表現するリーダーからのビデオメッセージを見る
具体的には
1)このメンバーなら絶対良いものができる、これはライバル校との勝負なのだといったように「モチベーションを喚起するリーダー」
2)これは与えられたブロックをどれだけうまく利用できるかというタスクであり、これまでなかったようなアイデアを出していこうと言うような「知的な刺激を与えるリーダー」
3)そして淡々と実験の「説明だけをするリーダー」
の3種類用意され、参加者はこのビデオのうち一つを見た後、チームごとタスクに臨むことになった。
実験の結果、鼓舞するような動機づけと知的な刺激は、信頼ではなくチーム内のコミュニケーションを高め、その結果、創造的なパフォーマンスにつながることが示されている。
これ以外にも創造性を生むリーダーシップの研究は数多くある。その中ではリーダー自身が創造的であることが重要であることや、創造的な行動を促すだけでなく創造的なアイデアを実現するリーダーシップ、フォロワーたちの異質な創造的な貢献をうまく統合していくリーダーシップも創造的リーダーシップの形として示されている。
注)Boies, K., Fiset, J., & Gill, H. (2015). Communication and trust are key: Unlocking the relationship between leadership and team performance and creativity. The Leadership Quarterly, vol. 26, no. 6, pp. 1080-1094.
(本記事は書籍『リーダーシップの科学』を一部抜粋・編集したものです)






