「部下に任せるより、自分でやったほうが早い」――そう考えて仕事を抱え込む人ほど、実はキャリアや年収が伸び悩みやすい。投資の神様と称されるウォーレン・バフェットは、意思決定の大半を有能な部下に委ね、自身は本当に重要な仕事にだけ集中してきたという。仕事ができる人ほど実践が難しい「任せる」というスキル。その本質と効果を、バフェットの信念と行動から読み解く。※本稿は、社会学者のライナー・ツィテルマン著、国枝成美訳『巨富を築いたビリオネアの思考法』(アルソス)の一部を抜粋・編集したものです。

バフェットが呆れた部下のひと言「そんなことを私に聞くようでは…」ウォーレン・バフェット氏 Photo:JIJI

投資家のジョージ・ソロスが
毎日は出勤しないワケ

 投資家のジョージ・ソロスはあるとき、友人のバイロン・ウィーンにこう言った。

「バイロン、きみは毎日出勤する。そして、毎日出勤するからには何かしなきゃと思う。それが問題なのだよ。その点、私は毎日は出勤しない。出勤する理由があるときにしか行かないのだ」

 そしてこう付け加えた。

「そして、行った日には、行っただけのことをちゃんとやっている」

 毎日、自分がどんな業務を行ったかをすべて記録し、そのなかで本当に大事なこと――結果の80%を生み出す20%の活動――に注力しよう。

 つまり、自分の強みにフォーカスし、それ以外のことは部下に任せよう。与えられた仕事は自分にしかできないものなのか、それとも、他の人でもできるものなのか、よく自分で分析するのだ。

 たとえば、専門性のある仕事で7万5000ドル稼げる人が、単純労働の仕事でその半分しか稼がないようでは、貴重なリソースの無駄遣いということになる。

 あなたは、部下でもできる仕事をどのくらいの頻度でやっているか考えたことはあるだろうか?