あるとき、CEOのひとりが、社用機の買い替えを打診すると、バフェットは言った。
「それはあなたが決めることだ。あなたが経営している会社なのだから」
バフェットはなぜ他人に
躊躇なく任せられるのか?
では、バフェットはなぜ他の経営者たちよりも躊躇なく人に任せることができたのだろう?
まず言えるのは、彼が、意思決定に必要な専門的知識が不足していることを自覚していたことだ。自分の知識の限界を知っているということは彼の大きな強みのひとつだったと言えよう。
自分の仕事は傘下の企業の経営者たちをやる気にさせることであって、彼らに代わって意思決定をすることではないとバフェットは考えていた。彼らが、自分たちの判断にいちいち口を出されてはたまらないと考えていることもまた、バフェットは理解していた。
『巨富を築いたビリオネアの思考法』(ライナー・ツィテルマン著、国枝成美訳、アルソス)
実際、従業員にとっては、自ら意思決定をし、自分で自分の仕事量をコントロールできる自由があるかどうかが、仕事の満足度を大きく左右する。
このことはさまざまな研究から明らかになっている。
自分の仕事ぶりを常に上司に監視されていると感じている社員は、上司に信頼されていないと思い込むにちがいない。もともと部下を「細かく管理(マイクロマネージ)」したいタイプの人は、ある日突然権限を委譲し、それまで自分がしていた意思決定を部下にさせるようなことはまずできないだろう。
だが、これができるようにならないとだめなのだ。
細かいタスクは人に任せ、その分、自分のコアな役割にフォーカスすることは儲けるために重要なポイントだ。全体の結果にもっとも大きく寄与する要因を特定できたら、その要因に注力し、他のことに気を取られないようにしよう。







