「優良株なら安心」は勘違い…? プロの調査が届かない場所に眠る「お宝銘柄」を見つける
ゴールドマン・サックスに入社し、マネージング・ディレクターに就任、アジアのトレーディングチームを率いた。その後、200兆円超の運用残高を誇る世界有数の機関投資家・ゆうちょ銀行で投資戦略を牽引。そんなマーケットの最前線を知り尽くしたトレーダーが、個人投資家が一生使える「オルカン」「S&P500」の“次の投資術”を徹底指南した初の著書『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)。投資初心者でも実践できるよう、徹底的にわかりやすく投資手法を体系化。ゴールドマン・サックス仕込みの「投資思考」や「オルカン+4資産均等型」といった実践的なポートフォリオ(資産配分)の構築方法、有望な個別株の見つけ方まで、「オルカン」「S&P500」の“次に知るべき”ノウハウが満載!

【ゴールドマン・サックスの元トレーダーが教える】稼げる人は「有名企業」ではなく、どう「無名な株」を仕込む?Photo: Adobe Stock

超過リターンを生む「2つの鍵」
小型株とバリューの力

2013年にノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学教授のユージン・ファーマ氏らが提唱した「3ファクターモデル」という学説では、「小型株効果」と「割安株効果」が株価を上げ、超過リターンを出す要因だと論じています。

小型株効果とは時価総額の小さな銘柄の株価が上昇しやすいという要因、割安株効果とは割安な銘柄が値上がりしやすいという要因を指します。

究極の勝利の方程式
なぜ「小型・割安」が最強なのか?

つまり、大型株よりも小型株のほうが、超過リターンが大きいということ。また、PER(株価収益率)ではなくPBR(株価純資産倍率)を割安株の要因として用いています。

わかりやすくひと言でまとめると、「割安な小型株をロング(買う)して、割高な大型株をショート(売る)しましょう」というのです。

初心者の壁を越えて
中小型株に眠る真のチャンス

「小型割安株がおすすめ」という結論の実証研究が、ノーベル経済学賞を受賞した学者によって提唱されたことは注目に値します。

投資初心者は世間的な評判もわかりやすい大型株から始めることをおすすめしますが、いずれは市場であまり注目されず割安に放置されている中小型株が狙い目になるともいえます。

【解説】効率的な市場で
「歪み」を見つける勇気

プロの投資家や機関投資家がひしめく株式市場は、基本的には情報がすぐさま価格に反映される「効率的な」場所です。しかし、ファーマ教授の理論が示す通り、市場には構造的な「歪み」が存在します。

個人投資家にとっての最大の学びは、「みんなが知っている優良銘柄」だけが、必ずしも「高いリターンをもたらす銘柄」ではないという事実です。大型株は分析しつくされていますが、中小型株はプロの調査が行き届かない分、お宝銘柄が割安なまま放置されている可能性が高いのです。

リスクの本質を理解し
長期的な資産形成へ

「小型株」や「割安株(バリュー株)」への投資は、一時的な値動きが激しく、忍耐が必要な場面もあります。学術的にこれらが超過リターンを生むとされる背景には、その変動リスクを負うことへの「報酬」という意味合いも含まれています。

しかし、この理論を知っていれば、「今は市場に見向きもされていないが、数字上は割安な小型株」を、自信を持って長期保有する根拠になります。短期的な流行に惑わされず、ノーベル賞級の理論をバックボーンに据えることで、感情に左右されない一貫した投資戦略を築けるようになるでしょう。

まずは、時価総額が小さく、かつPBRが1倍を下回っているような銘柄に注目してみることから始めてみてください。学術的な知見を「教養」で終わらせず、実際の銘柄選びのフィルターとして活用することで、あなたのポートフォリオはより強固なものに進化するはずです。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。