生成AIで架空の商品のプレゼン動画を作ってみる

 まず、どのようなイメージ動画ができ上がるかを見ていただきたい。タイトル画面やエンディングのスローモーション処理などは動画編集ツールで追加したものだが、それ以外の部分はすべて、生成AIでつくった動画のみをつなぎ合わせている。

架空のスマートARグラス「NeoVue Glasses」の、企画プレゼン用のオープニングイメージ動画を想定した作例。この程度のものであれば、1時間もかからずに作ることができる(正味の生成時間はもっと短いが、複数パターンを生成して比較・選択したりするため)

 最初に考えるのは「どの生成AIを利用すればいいか」。動画生成AIサービスは複数あり、それぞれに得意不得意があるので、プロのクリエイターは目的に応じて複数のサービスを組み合わせて使うことが多い。

 しかしここでは、簡便さと無料で生成可能な1日あたりの動画数から、xAIが提供しているGrokを使うことにする。ちなみに、“grok”とは、ロバート・A・ハインラインのSF小説「異星の客」に登場した「直感的・本質的に深く理解する」という意味の火星語(!)の造語だ。

Grokは無料で動画を1日約20回生成できる

 Grokは1日あたり約20回まで、最大6秒の動画を生成できる。6秒では短いと感じる人が多いかもしれないが、一般的な映画やドラマでも1カットは数秒であることが大半だ。短いカットを巧みに組み合わせ、構成して長尺の映像が作られる。そう考えれば、最大6秒という制約も妥当といえる。

 また、OpenAIの動画生成AIサービスであるSoraの無料プランのように、保存された動画の途中にランダムにロゴが挿入されることもないため、プレゼンなどで使いやすいということもある。