日進月歩で進化を続ける生成AIの世界。チャット系AI以上に熱いのが、動画生成AIをめぐる動きだ。文章でシンプルなプロンプトを入力するだけでシネマライクな1分間の動画を作り出すOpen AI「Sora」が大きな話題となったが、まだ一般利用はできない。実際に利用可能なサービスとしてはRunway MLやPika Labsといった有名どころに加え、新規参入も相次いでいる。今回は後者の中から、完全無料で生成数の制約なしに使える「PixVerse」と「Haiper AI」を自作サンプルと共に紹介。さらに、今後の動画生成AIサービスの方向性を示唆する新サービス「LTXstudio」の概要もお伝えする。(テクノロジーライター 大谷和利)
個人で利用できる動画生成AIで
「チェキ」のCM風動画を作ってみた
まずは、こちらの「チェキ kirari」という動画を見ていただきたい。これは、富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」のPVを想定して筆者が作った、非公式のファンメイドコンテンツだ。
個人制作のAI生成動画では、近未来SF調映画の予告編的なものや、モーフィングを多用したアート系のものが目立つ印象だが、企業レベルでは、伊藤園がカテキン緑茶のCMにAI生成のバーチャルタレントを起用したり、auが実写を生成AIでイラスト化した動画を組み込んだ三太郎のCMを制作したりといった例も現れてきている。そこで、誰もが利用可能な機材やサービスの範囲内で、具体的な商品をモチーフに生成AIをフル活用してPVを作ったらどうなるかを試してみた結果が、この「チェキ kirari」だ。