デキる上司の「結果を出す技術」写真はイメージです Photo:PIXTA

あなたは「部下や若手とうまくやっている」自覚があるだろうか。若手との関係に悩んでいる人はもちろん、“うまくやっている”自負がある人も知っておきたいコミュニケーションのコツを『会話IQ 本当に頭がいい人の話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などの著者である五百田達成さんが解説する。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)

「部下とうまくいっている」
そう思っているのは自分だけかも!?

「パワハラだと思われたくない。とはいえ、必要な指摘をしないわけにはいかないし……」

 昨今、職場の若手や部下とのコミュニケーションに課題を抱えるビジネスパーソンは少なくありません。

 皆さんも、「ハッキリ伝えると傷つけてしまうかも?」「もう少しフレンドリーに言った方がいい?」などと頭を悩ませた結果、何を話していいかわからない状態になっていないでしょうか。

 ハラスメントリスクを回避するために優しく接する、面倒見をよくする、褒める上司になる……そのどれもが正解のように見えて、ついやりがちな誤りである、と私は考えます。

 では、どうすればいいのでしょうか。

 部下に優しくしている、フレンドリーに接している自負がある上司の方ほど、自分ができているかどうか問い直してほしいキーワードがあります。それは、「対等」です。

 上司、部下というのはしょせん、役割です。上司だから人間的に優れているわけでも、人生経験が豊富なわけでもありません。

 上司は、たまたまそのチームをマネジメントして成果を出すという役割を担っている人。部下や若手社員は、自分より下の人ではなく、役割が違うだけの対等なビジネスパートナーであるという前提に立てば、おのずと話し方は変わると思います。

 もっと言うと、部下や後輩は取引先と同じです。取引先にしない言い方は部下にもしない、と考えると線引きしやすいです。

 この線引きを踏まえると、上司が部下に対してよかれと思ってやりがちな声がけも、実は“逆効果”かもしれないことがよくわかります。