浮気が確定したことをメッセージで伝えると、瑠花さんから「わかりました」とだけ返信がありました。
一睦さんと女性は8時間ほどしてホテルから出てきました。ここからは女性の素性を突き止める調査です。
付近のコインパーキングに駐車していた女性の車に2人が乗り込み、一睦さんを久村家付近のドラッグストアで降ろした後、女性の車は走り出しました。
追尾すること40分、女性は住宅街の一軒家に帰宅しました。
その家に表札はありませんでしたが、家の前には女性の車の他にもう1台の乗用車が止められていて、庭には小学生くらいの子ども用と思われる自転車が2台ありました。
その女性もまた家庭を持ち、子どもがいるようでした。
その後、宅地情報からその家の持ち主の名字が小俣(おまた)であることだけがわかりました。
調査結果をすぐに電話で報告すると、瑠花さんは静かに「ありがとうございます。夫は帰ってすぐに自分の部屋に入りました。正直顔も見たくありません。でも、私は大丈夫です。知ることができてよかったです」
その声は呼吸が荒く、なんとか平静を装っている様子が分かりました。
心が決まった瑠花さんの行動はとても速く、翌日には私が紹介した弁護士に相談し、離婚に向けての準備を水面下で進めました。
その2日後、瑠花さんからの電話で状況を教えてもらいました。
突然の来訪者
不動産査定にきた男性
私が撮った証拠で十分に慰謝料と親権と養育費を得られる公算が大きいという弁護士の言葉に大きな安堵感を覚えたそうです。「女性にも慰謝料を請求するためには名前と住所が必要らしく、片岡さんは女性の下の名前を割り出すことはできますか?」と話している最中に久村家のインターホンが鳴ったので、いったん電話を切りました。
久村家の玄関先に立っていたのは「不動産査定でお宅の査定に参りました下川(しもかわ)と申します」と名乗る50代の男性でした。







