デキる上司のズルい一言写真はイメージです Photo:PIXTA

「論破」という言葉をよく耳にするようになりました。しかしながら、ビジネスの現場では、論破は悪手です。相手と対立してしまったとき、どうやって解決するのか。仕事ができる人が実践している「三つのテクニック」を紹介します。(ギックス共同創業者 田中耕比古)

論破することは「愚か」である
絶対やってはいけないワケ

「論破」という言葉があります。

 少し前に流行って最近はやや下火になっているかもしれませんが、「相手を論理的に打ち負かす」ということで、かなり攻撃的な意味合いを持つ言葉です。

 しかしながら、テレビ番組やディベート大会などではいざ知らず、ビジネスの場において「論破」の出番はありません。

 中には「コンサルタントなんていう、ロジック(論理)で戦うことを生業にしている奴らは、ことあるごとに相手を論破して悦に入っているんだろう」と思っていらっしゃる方がいるかもしれませんが、残念ながら、優秀なコンサルタントは、他人を論破するような愚かな真似はしません。

 なぜ、論破することが「愚か」なのか。それは「ビジネスの現場において、対立構造をつくるのは、最悪の選択だから」です。

 ビジネスは、相手との関係性によって成立します。

 何かの財やサービスを提供し、対価を得る。つまり、価値ある何かに対する金銭的な取引が発生するのが、ビジネスです。

 そうした状況において、相手を論理的正しさのみで打ち負かしたとして、それは、理想の「勝ち方」なのでしょうか。

 先ほど例に挙げたような、テレビ番組やディベート大会、あるいはYouTube動画などの一般的なビジネスの現場とは異なる状況において、限られた時間枠の中で存在感を出すためには、論破という手段が有効なこともあると思います。

 しかし、実際のビジネスの場で、取引先(もしくは取引先候補)を論破することが「最善の策」であるケースは、ほとんどありません。