【SNSでバズる法則3】
「専門性×好き」が唯一無二のポジションを作る

 毎日3投稿を続けていると、「好きなもの」について語りたくなる。私にとってはサザンオールスターズだった。年の離れた姉の影響で、小学生の頃から聴いてきた。上京してからは何度もライブに足を運んだ。

 そして24年夏、「サザン、夏フェス卒業」のニュースが流れた。見に行こうとチケットのを何度も申し込んだが、あえなく落選。高い倍率だから当然だ。とても残念な気持ちになったが、サザンの歴史にとって大切なライブに対して何かできないかと考えた。

「気象予報士として、天気で応援しよう」

 ライブ1週間前から、会場がある茨城県ひたちなか市の天気予報を毎日投稿した。ただの予報ではない。サザンへの想いと、思い出の曲も添えて。

反応は、すぐにあった。

「ありがとうございます!」「毎日チェックしてます」――サザンファンから温かいメッセージが届いた。そして当日、天気は快晴。最高の野外ライブ日和となった。

桑田佳祐さんに
名前を呼ばれた日

 サザン最後の夏フェスが幕を閉じた5日後のことだった。桑田佳祐さんがラジオの生放送で、リスナーからのメールを読み上げた。

「とある気象キャスターが、ひたちなかの天気を1週間前から楽しく伝えてくれていました」

 すると桑田さんが言った。

「これ、俺、知ってるんだよ」
「うちの原さんと毎日見てたんだよ、あれ。佐藤圭一さんって人」
「この人、神様なんじゃないか?」

 桑田さんらしいユーモアのある表現に、体が震えるほど感激した。「とんでもない!私にとって桑田佳祐さんこそ神様です!!」と心の中で叫んだ。

 ライブチケットを持っていなかった私でも、自分にしかできない応援の形があった。「気象キャスター×サザンファン」という組み合わせが、思いがけない奇跡を運んでくれた。