【一発アウト】「うちには税務署が来なかった」が落とし穴に…トラブルを呼ぶ素人助言ワースト2
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。
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【一発アウト】相続トラブルを呼ぶ素人助言ワースト2
本日は「相続トラブル」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合う際、ぜひ参考にしてください。
相続が発生すると、自称、相続に詳しい友人や知人が、相続にまつわるアドバイスをしてくることがあります。特に学生時代に法学部に所属していた人や、金融機関などにお勤めで、ある程度、相続の知識のある人がやりがちです。
ご本人たちは、人助けのつもりでされているのだと思うのですが、専門家の私からすると「生半可な知識でアドバイスすると、余計にトラブルのもとになるので、控えてほしい」と思ってしまいます。
信用してはいけないアドバイス①
例えば、実際によくある間違えたアドバイスの代表格として、「遺産は法定相続分通りに分けなくてはいけない」と、法定相続分通りの分け方を強く勧めるケース。遺産の分け方は相続人全員の同意があれば自由に分けることができます。法定相続分はあくまで目安として国が定めているもので、必ずその分け方にしなければいけない、ということではありません。
信用してはいけないアドバイス②
他にも困るのは、「私たちのときはこうやったけど、問題なく進んだ」という、たまたまうまくいった実体験を、あたかも正しいやり方のように伝えるアドバイスです。
代表的な例でいえば、「相続発生後、銀行にその旨を伝えずにATMから残高0円になるまで引き出し、そのお金を相続人で分け合い、結果的に問題なかった」というような内容です。確かにこのようにして問題にならないケースもありますが、それは偶然その人たちがうまくいっただけのことであって、これから手続をする方までうまくいくかはわかりません。
世の中には、相続後に他の相続人に無断でお金を引き出したために、そのお金の着服を疑われ、相続人同士で争いに発展してしまったケースや、相続発生後にお金を使ったため相続放棄ができなくなり、多額の借金を相続しなければならなくなったケースなど、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまった人が大勢います。
なぜ国家資格があるのか?
法律や税金のアドバイスをするためには、弁護士や司法書士、税理士といった国家資格が必要です。なぜ、国家資格が必要なのかと言うと、誤ったアドバイスをすると、余計にトラブルが増え、取り返しのつかない事態になる可能性があるからです。医学に詳しいからといって、医師免許のない人に診察や手術を任せてはいけないのと同じなのです。
これから葬儀や法事等で、多くの方とお会いすると思いますが、専門家でない人から受けたアドバイスは、話半分に聞きましょう。ぶっちゃけ、アドバイスの大半は間違っている可能性があります。正しい知識を身につけ、自分の身は自分で守るという姿勢が大切です。
(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)








