【守り】AIで生まれた人材リソース、どう活かす?
AIによる自動化が進むと、必ず問われるのが「AIに移管した業務を担当していた人材をどう活用するか」です。
スタッフ部門で余剰人員が生まれても、そのままでは利益創出につながりません。そこで、人材ポートフォリオ調査を行い、
・ビジネス部門への異動
・スタッフ部門での戦略・企画業務強化
・定年退職などの自然減
・外部委託業務の内製化
といった流動先に配置します。
人材の流動先を決める際は、本人のキャリア志向や職務経験を丁寧に把握することが欠かせません。
現場で活躍できる人材はビジネス部門へ、専門性を活かせる人材はスタッフ部門で企画・専門業務強化へ。
定型業務中心の人材は、外部委託業務を見直し内製化にシフトするなど、適材適所で再配置しリソースの有効活用をはかります。
実際、社員数1万人超の企業では、専門性の高い人材や、スタッフ部門からビジネスの現場に戻れる人材が多く、外部委託業務の内製化によるコスト削減も実現しています。
【攻め】AIで生まれる時間と人材を、次の成長チャンスへ
「守り」で生まれた余剰工数は、「攻め」の新規事業拡大や新領域への投資にも活用できます。
人材不足が深刻化する中、AIによる余剰工数を活かして、
・新規事業への人員シフト
・経営スタッフによる戦略・企画業務の強化
など、企業成長のための新たな挑戦が可能になります。
AI導入後の社員再配置は、単なるコスト削減にとどまらず、企業全体のスパイラルアップ(継続的な成長)につなげるための“攻守一体”の戦略となるのです。
企業の働き方を変える、エージェント型AI時代の業務設計
生成AIの進化は、単なる“道具”から“自律的エージェント”への転換を迎え、企業の業務設計そのものを塗り替えつつあります。
今、企業が本当に成果を出すためには、AI導入の「対象業務選定」「業務スコープの定義」「人とAIの協働設計」が不可欠です。
AI導入で考えるべき、業務選定のポイント
AI化すべき業務はどこか?以下の3つの観点で選定することで、AI導入効果の最大化を図れます。
・業務工数の負荷が大きい
・関与人数が多い
・属人化しやすい
例えば、ある企業では、「長時間労働者の抽出から面談通知、日程調整まで」──この一連の業務に、担当者1人あたり月30時間もの工数がかかっていました。
しかし、生成AIを導入したことで、なんと約9割の業務が自動化可能に。これまで膨大な時間を費やしていた作業が劇的に減り、担当者の負担は大幅に軽減されています。
その他にも、例えば外部委託しているような業務も、AIによる内製化を通じた委託費用削減の有力候補となります。
AI導入の効果を最大化する“業務の見極め方”と成果の測り方
既存業務を業務量と複雑性の2軸で整理し、以下のようにAI導入のスコープを整理します。
業務量が多く複雑性が低いものから優先導入
複雑性が高い業務は、まず業務を簡素化してからAI化
ROI(投資対効果)は、現場担当者へのヒアリングを通じて「浮いた工数×対象人数」など具体的な定量評価を行います。
AI導入後も一定期間は人手とのハイブリッド運用が続くため、完全移行のタイミングを見極めることも重要です。
AIと人の役割分担、業務設計はこう変わる
エージェント型AIは万能ではありません。例えば法令遵守が求められる業務は人間による最終チェックが必須ですし、社内で簡潔する業務はAIに完全に任せやすい傾向があります。
このように業務の性質に応じてAIの権限範囲を設定することが大切です。
従来の業務設計は「人間がタスクを遂行する」ことが前提でしたが、これからは「AIが主体となるワークフロー」を設計し、それらをAIでオーケストレーションする仕組みが中心となります。
AIが迷わず処理できるよう、「例外処理の排除」「ルールの明確化」「データ形式の統一」など、業務構造の再設計が求められます。
業務マニュアルも「人間のための手順書」から「AIを調整・設定するためのガイド」へと進化し、複数のAIが連携して業務を引き継ぐ仕組みも重要となってくるでしょう。
企業変革の“次の一手”は、エージェント型AIと人の協働
AI活用の“壁”を突破し、企業が本当に成果を出すためには、業務設計や人材戦略を一体的に見直し、全社的なスパイラルアップを目指すことが不可欠です。
エージェント型AIは、単なる効率化ツールではなく、企業の成長と新たな価値創出を実現する“協働パートナー”です。今こそ、AIと人がともに進化する新しい時代の一歩を踏み出しましょう。
AIの進化は、あなたの会社の“働き方”も“ビジネスモデル”も一変させる可能性を秘めています。
部分最適から全体最適へ。
守りと攻めの両輪を回し、エージェント型AIと人材の力を最大限に引き出すことで、企業は新たな成長曲線を描くことができるはずです。
今、変革のスタート地点に立つすべてのビジネスリーダーに、次の一手を考えるヒントとなれば幸いです。







