AI活用の現場は、大きな転換点に立っています。

なかでも、従来の生成AIをさらに発展させ、状況理解や意思決定、タスク実行を自律的に行う「エージェント型AI」は、従業員の仕事のやり方、価値観、認識を根底から変える大きな変革プロセスとなります。

ChatGPTやGeminiなどの生成AIが話題を集める一方で、「本当に業務全体が変わった」と実感できている企業は、まだごく一部かもしれません。

部分的な効率化は進んでも、現場では「人間が担う作業がむしろ煩雑になった」「AI導入の成果が経営に還元できていない」といった声も聞こえてきます。

そんな“AI活用の壁”を突破するカギとなるのが、今まさに実用化フェーズに突入しつつある「エージェント型AI」なのです。

書籍『エージェント型AIビジネス、働き方を一変させる協働知革命』では、その本質や技術的特徴、そしてビジネス現場での活用方法を詳しく解説しています。

AI活用が進む中で、企業は人材をどう活かすべきか<PR>

さらなるスパイラルアップに向けて企業が取るべき行動

エージェント型AI』の著者パスカル・ボーネットは、エージェント型AI導入にまつわる、あるエピソードを紹介しています(以下抜粋)。

あるアジアの銀行では、インテリジェントオートメーション(IA)部門長がエージェントに熱を上げていた。

 

「3カ月でエージェントを作ったら、チームの4分の3を置き換えられる」と豪語していた。

 

しかし、業務プロセス改善部門でチェンジマネジメントを担当する同僚は冷静だった。

 

「うちのプロセスは複雑すぎて、人を減らしたらいろいろ破綻しますよ」

 

こうした経験から重要な教訓を得た。エージェント型AI導入の成功は、技術と同じくらい人に大きくかかっている。

 

エージェントシステムを実装し、その性能を監視し、ミスを修正し、問題を特定して修正を試みる。あるいはこれらの重要なタスクへの協力を拒否する。すべて人間が行うのだ。

人間とエージェント型AIのハイブリッドチームを率いることは、産業革命以来の、経営管理手法における最も重要な変革の1つとなり得ます。この新時代で成功を収めるには、技術に対する理解、人間への共感、そして戦略的ビジョンの絶妙なバランスが求められるでしょう。

エージェント型AIの導入は、単なる業務効率化にとどまらず、企業競争力そのものを高める大きなチャンスです。しかし、その導入効果を最大限に引き出すには、「人材の再配置」と「新規領域への投資」という“守り”と“攻め”の両輪を回すことが不可欠です。