そのため、人間は「現状維持」を好み、よほどの理由がないかぎり、新しい選択肢を選ばないのです。

自分を変えるためには
3つの選択肢を用意するといい

 シャフィールらは、強い理由がある場合と理由が乏しい場合における意思決定も比較しているのですが、強い理由がある場合はリピートが後悔を引き起こすことは少ない――すなわち、自分を正当化できる理由がある以上、現状維持を選択するという意思決定は、鉄のように固いこともわかりました。

 裏を返せば、人間は自分を正当化できるか否かで、「選ぶ」と「除外する」を選んでいるとも言えます。自分を正当化できる理由を選んでしまうわけですから、2つの選択肢だけでは、なかなか自分の行動を変えることが難しいとも言えます。シャフィールらも、選択肢は3つあることが望ましいと述べています。

 なんの予定もない休日を過ごすとき、「ゴロゴロする」か「どこかに出かけるか」という選択だけなら、意思決定は過去の経験上、正当化できるものにあらかじめ決まっています。

 その選択に、「ちょっとだけ離れた行ったことのないお店まで散歩する」といった選択肢を加えることで、あなたの行動はどんどん広がっていくはずです。

完璧を求めすぎると
後悔ばかりの人生に

 スワースモア大学のバリー・シュワルツは、意思決定のスタイルについて、2パターンの人がいると提唱しています。

 まず1つ目が、さまざまな選択があるなかで、つねに最高の結果を求める傾向がある「マキシマイザー」と呼ばれるタイプです。

 この区別を発展させたウォータールー大学のジェフリー・ハフスによれば、「マキシマイザー」には、多くの選択肢を徹底的に調べたうえで、ほかの選択肢がよかったかも――と思いつつも、自らの選択にポジティブな面を見いだせる「促進系マキシマイザー」と、つねに最高を探しつづけ、選んだ結果に満足できない「評価系マキシマイザー」があるといいます。