
「新しいことに挑戦したいのに、つい後回しにしてしまう」そんな先延ばしグセは誰にでもあるはずだ。続かないのは、意志が弱いわけでも根性が足りないわけでもない。実は、サボってしまうのは、脳と心の仕組みに原因があるのだ。最新の脳科学と心理学に基づく研究から、ダイエット、勉強、運動などを無理なく続けるためのテクニックを紹介する。※本稿は、堀田秀吾『決めることに疲れない 最新科学が教える「決断疲れ」をなくす習慣』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
好き嫌いや苦手意識のせいで
先延ばしがちな人に朗報?
人は嫌いなことからは目を背け、決断を先延ばしにしがちです。ですが、先延ばしにすればするほど決断するのが憂鬱(ゆううつ)になっていきますね。
実は物事の好き嫌いや苦手意識は突き詰めると、自分がつくり出したバイアスにすぎないことがほとんどです。
たとえば、AさんがBさんにダイエット方法について提案する、次の会話を参考にして考えてみましょう。
A「定期的にジムに行ったりしたらいいんじゃない?」
B「効果がありそうだよね。でも、もっとコスパよく、痩せたいんだ」
A「ジョギングは?場所も選ばないし、自分のペースでできるよ」
B「走るのは苦手で、あんまりモチベーションが上がらないんだよね」
B「効果がありそうだよね。でも、もっとコスパよく、痩せたいんだ」
A「ジョギングは?場所も選ばないし、自分のペースでできるよ」
B「走るのは苦手で、あんまりモチベーションが上がらないんだよね」
Bさんはやらない理由を探す天才。このように自分のこだわり、好き嫌いや苦手意識によって決断をしてしまう(あるいはしない)人は一定数いるはずです。
日常のちょっとした言葉が
やる気を引き出してくれる
マサチューセッツ工科大学経営大学院のアリエリー(編集部注/ダン・アリエリー。心理学者)は、被験者が本来、モチベーションを保てるはずの仕事に対して、あえて意図的にやる気を失わせる実験を行っています。