「自分の鼻」が視界に入って邪魔…それは脳がパンクする直前のサインかも
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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「普段気にならないこと」が気になりだしたら脳疲労のサイン?
今日は、脳がだいぶ疲れているサインについてお話したいと思います。このサインを見逃すと、場合によっては適応障害やうつ病などにつながる可能性もあるため、ぜひ知っておいていただきたいお話です。
結論から言うと、「いつもは気にならないことが、急に気になり始めたら」、それは脳が疲れているサインだと捉えてください。
脳のフィルター機能「RAS(網様体賦活系)」とは?
なぜこのような現象が起きるのか? まずは、「RAS(網様体賦活系)」という脳の機能についてお話しします。
人間の脳には、五感(視覚、聴覚など)から入ってくる膨大な情報の中から、自分にとって必要な情報だけを選び取る「フィルタリング機能」が備わっています。これがRASです。
例えば、日常生活を送っていると、身の回りにはいろんな音があふれています。しかし、私たちはそのすべてを意識しているわけではありません。「聞こえていても、聞いていない」「見ていても、見ていない」という状態で、無意識に情報を取捨選択しているのです。もし全ての情報を真に受けていたら、脳はパンクして混乱してしまいます。
しかし、脳が疲れてくると、このRASのフィルター機能が低下してしまいます。すると、普段ならカットされている「いらない情報」までが脳内に流れ込んでくるようになり、その結果、些細なことが気になったり、イライラしたりしてしまうのです。
私のうつ病体験:感覚の「バグ」
実は私自身、うつ病を経験した際に、まさにこの現象に悩まされました。当時はかなりしんどかったのですが、以下のような「奇妙な感覚」に襲われたのです。
●舌の位置が気になる:喋っていないとき、舌を口内のどこに置けばいいか分からない
●自分の鼻が視界に入って気になる:削り落としたいと思うほど不快になる
これらは、それまで生きてきて一度も気にしたことがないことでした。これは明らかに脳の異常、いわば「バグ」だと感じました。後にこれが、脳のフィルター機能(RAS)の不調によるものだと知識が結びついたとき、自分の感覚が脳科学的にも裏打ちされていることに納得がいきました。



