ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に対する刑事捜査の目的は、FRB本部やパウエル氏本人ではなく、利下げですらない。目的は権限だ。ドナルド・トランプ大統領はFRBを掌握しようとしており、法律や裁判所の判断はお構いなしだ。その意味でこの捜査は、パウエル氏の後任に対するメッセージでもある。次期FRB議長に就く可能性が高いのは、国家経済会議(NEC)委員長のケビン・ハセット氏と、元FRB理事のケビン・ウォーシュ氏だ。両氏は独立性を維持すると主張している。だが、トランプ氏の意に沿わない金利設定をすれば、パウエル氏と同じ目に遭いかねない。これは同調への強い動機となる。トランプ氏は1年前に大統領に返り咲くと、自身と他の連邦機関の権限を隔てる境界線を次々に取り除いてきた。同氏が連邦取引委員会(FTC)などから民主党所属の職員を解任したことは法律に反する。同氏はさらに、忠誠心が不十分だとみなした司法省や国防総省、法執行機関の高官を解任し、歳出と歳入に関する議会の権限をないがしろにした。
FRB議長捜査はトランプ氏からの警告
トランプ氏がFRBを掌握するためにどこまでやるかが明らかに
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