ベンチに座り頭を抱える中年男性写真はイメージです Photo:PIXTA

若い頃と比べて、言いようのない寂しさを感じたことはないだろうか。何かに熱中することも減り、気づけば1人で過ごす時間ばかりが増えていく…。しかし、こうした悩みは誰もが経験するものだ。世界文学の名作『ロビンソン・クルーソー』を読み解くと、中年の孤独をどのように解消すればいいかが見えてきた。※本稿は、文筆家の堀越英美『あなたのモヤモヤに効く世界文学 恋愛から仕事、親子関係、中年危機まで』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

夢と自由を追い求めては
後悔を繰り返すロビンソン・クルーソー

 すべてのしがらみから逃れて、自由に好きなことだけを追求したい。若い頃のそんな気持ちも、体力と好奇心が衰えるにつれ、もてあますようになるものです。

 昔ほど趣味に熱中できず、友人も家庭の事情や仕事で忙しくなり、あまり遊んでくれない。若者なら孤独や自堕落もさまになりますが、中年のそれは社会問題になりかねないので、きちんと暮らさなければというプレッシャーもかかります。

 そもそもきちんとしないと即、健康に支障をきたすお年頃でもあります。

 世界一有名なサバイバル物語『ロビンソン・クルーソー』の主人公も、夢と自由を追い求め、そのたびに後悔を繰り返す人物です。

 ロビンソンの後悔と絶望からの立ち直り方は、そのサバイバル術も含めて中年の参考になりそうです。

 サバイバルといっても、ロビンソンは17世紀イギリスの裕福な家庭に生まれたお坊ちゃんで、もともと自活能力が高かったわけではありません。彼を駆り立てていたのはただ、遠くに旅したいという夢だけでした。