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原油の公式価格は今のところ落ち着いた状態にある。しかし、米国の ベネズエラに対する攻撃 は、制裁対象の原油が取引される闇市場とその最大の顧客である中国にとって圧力となっている。
国際的な標準油種の北海ブレント原油は1バレル=約63ドルで取引されており、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が拘束されて以降の上昇幅は3ドル未満にとどまっている。ベネズエラからの追加供給の一部は既に原油先物価格に織り込まれているが、現物市場に影響が表れるまでには時間がかかるだろう。ベネズエラで政権移行が円滑に進んだとしても、放置されてきた同国の石油インフラを修復し、生産量を引き上げるには少なくとも数年を要するとみられる。
ベネズエラ周辺の海上封鎖と米国による石油タンカーの拿捕(だほ)は、「闇」原油市場に対する重大な警鐘となっている。調査会社ケプラーのデータによると、西側諸国の制裁下にある原油量は世界の供給量の15%と過去最高水準に達している。また、この制裁対象の原油を運ぶ影の船隊が世界の載貨重量トン数の5分の1にまで膨れ上がっていることが、海事専門誌ロイズ・リストのデータで示された。
西側の主要国はこれらのタンカーへの圧力を強めている。米国は先週、公海上で3隻を拿捕した。低水準の原油価格と潤沢な供給量により、欧米の指導者らは有権者に新たなエネルギー価格高騰をもたらすことなく不正取引に対処するまたとない好機を得ている。
マドゥロ政権が転覆されたことは、中国にとって問題だ。中国はインドと共に、西側諸国の制裁によって生み出された大幅に割安な石油の流れから最大の恩恵を受けてきた。ケプラーのデータによると、中国は石油の全輸入量の3分の1を、イラン、ロシア、ベネズエラから調達してきた。







