また、運動以外でも「仕事疲れ」や「運転疲れ」、「ストレス疲れ」や「人疲れ」など、日常生活で起こるさまざまな疲労も、自律神経が疲弊したから起きています。

 集中してデスクワークや運転をしているときは、緊張状態を維持しなければならず、自律神経はフル回転。また、暑い環境で過ごす、満員電車に乗って通勤するといった環境的なストレスも、体温調節を担う自律神経を疲弊させます。さらに、職場に苦手な同僚がいるといった対人的なストレスも、自律神経を疲れさせる大きな要因となっているのです。

 夏にとくに「疲れやすい」のは、脳のオーバーヒートという「脳の危機」に対応しようと、自律神経がその調節に数々の指令を出して疲弊するから。夏バテは、自律神経中枢の疲労が蓄積することによって起こるのです。

 つまり、日々の生活においては、過酷な環境も、人間関係も、仕事の緊張も、疲れているのは自律神経中枢そのものです。「疲労」とは、体とメンタルで分けて考える必要はなく、「日常の疲れ=身体的な疲れ+精神的な疲れの合算」といえるのです。

脳にとって快適な室温が
体にもいいとは限らない

「仕事の疲れは、スポーツジムで発散してストレス解消!」
「一日中デスクワークだったから、熱めのお風呂につかって疲れを取ろう」

 疲れを取るために、日々、このようなことを実践している人は多いのではないでしょうか。

 日常の疲れとは、「身体的な疲れと精神的な疲れの合算」という話をしました。いくら気分転換にスポーツをしたとしても、肝心の脳と自律神経は癒やされず、疲れはまったく取れません。

 むしろ、心拍や血圧、呼吸などの調節の負荷を高めて、さらに自律神経をクタクタに疲弊させている可能性すらあります。いうなれば、体は、脳からの指令に基づいて動く「部品」。もちろん部品のメンテナンスは必要ですが、積極的に休ませるべきなのは自律神経中枢であることは間違いないでしょう。

 また、体にとって快適な環境が、脳にとっても快適とは限りません。