「もっと早く出会いたかった!」と老若男女に読まれている書籍『頭のいい人が話す前に考えていること』は著者の安達氏がコンサル22年で得た知見を、デートでの会話など一見ビジネスと関係ない事例を取り上げながらまとめた1冊だ。そんな本書の中から、ついやってしまいがちな陰でバカにされてしまう言動について紹介する。(構成/山守麻衣)
Photo: Adobe Stock
キレたら、負け。
本書では、こんなエピソードを紹介している。
私が若手だったころの話です。
ある企業の「改善活動」を見に行きました。
改善活動は、部長の前で一人ひとりが「今週の報告と、来週の目標」を発表していくだけのことでしたが、役員のひとりは、この活動に対して異常なまでのこだわりがありました。
しかしそれは、活動の中身ではなく“発表するときの声”にだったのです。
社員の中には、人前で話すことが苦手な、声の小さい人も当然います。
あるいは、自信なさそうに発表する人もいます。
そんな人にはその役員は「声が小さい!」と叱咤し、やり直しをさせるのです。
正直なところ、見ていて気持ちのよいものではなかったのですが、私は外部の人間でしたし、経営者がそれを許していたのだから、この儀式について止める理由もありませんでした。
ところが、あるとき役員の気に障ったひとりの新人が皆の前で「こっぴどく怒られた」とき、それを見かねたリーダークラスのひとりが、役員に対して
「もうそれくらいでいいでしょう!」
と大きな声で制したのです。
場は凍りつきましたが、その役員が「言いすぎた」と謝罪していったんは収まりました。そして、事件のあと。リーダーとその役員の間で、社長が仲裁に入って話し合いが持たれました。
社長は怒鳴ったリーダーの話に理解を示し、役員には「やりすぎである。本来の趣旨と違うはず」と反省を促しました。
しかし、社長はリーダーに対してもこう言ったのです。
「冷静さを失うとは何事だ。そのようなことではリーダーを任せられない」
社長の言う通りでした。彼は新人をかばっただけでしたが、その事件のあと、他の社員が件(くだん)のリーダーを見る目が、少し変わってしまったのです。
しかも、残念ながら称賛というより、冷ややかな目でした。
(『頭のいい人が話す前に考えていること』p45-46)
ある企業の「改善活動」を見に行きました。
改善活動は、部長の前で一人ひとりが「今週の報告と、来週の目標」を発表していくだけのことでしたが、役員のひとりは、この活動に対して異常なまでのこだわりがありました。
しかしそれは、活動の中身ではなく“発表するときの声”にだったのです。
社員の中には、人前で話すことが苦手な、声の小さい人も当然います。
あるいは、自信なさそうに発表する人もいます。
そんな人にはその役員は「声が小さい!」と叱咤し、やり直しをさせるのです。
正直なところ、見ていて気持ちのよいものではなかったのですが、私は外部の人間でしたし、経営者がそれを許していたのだから、この儀式について止める理由もありませんでした。
ところが、あるとき役員の気に障ったひとりの新人が皆の前で「こっぴどく怒られた」とき、それを見かねたリーダークラスのひとりが、役員に対して
「もうそれくらいでいいでしょう!」
と大きな声で制したのです。
場は凍りつきましたが、その役員が「言いすぎた」と謝罪していったんは収まりました。そして、事件のあと。リーダーとその役員の間で、社長が仲裁に入って話し合いが持たれました。
社長は怒鳴ったリーダーの話に理解を示し、役員には「やりすぎである。本来の趣旨と違うはず」と反省を促しました。
しかし、社長はリーダーに対してもこう言ったのです。
「冷静さを失うとは何事だ。そのようなことではリーダーを任せられない」
社長の言う通りでした。彼は新人をかばっただけでしたが、その事件のあと、他の社員が件(くだん)のリーダーを見る目が、少し変わってしまったのです。
しかも、残念ながら称賛というより、冷ややかな目でした。
(『頭のいい人が話す前に考えていること』p45-46)
ここで重要なのは、「正しいかどうか」は関係ないという点だ。
どれだけ正しいことを言っていたとしても、キレた時点で、「あの人は、キレる人。冷静さを保てない人」として、バカにされてしまうのだ。
本書はこうも付け加える。
怒っているときは、だれでも頭が悪くなるのです。
怒っているときに下す判断は、まず、間違っていると考えたほうがいいでしょう。
(『頭のいい人が話す前に考えていること』p47)
怒っているときに下す判断は、まず、間違っていると考えたほうがいいでしょう。
(『頭のいい人が話す前に考えていること』p47)
感情的になることは誰にでもあるだろう。
しかし、感情にまかせて反応することは、周囲からバカにされるだけではなく、間違った判断を下す可能性まである。
著者の安達氏は、上司と喧嘩した勢いで会社を辞め、後悔している人を何人も見てきたそうだ。
感情にまかせて反応せずに冷静になる。簡単なようで、意外と難しいが、ことあるごとに思い出してほしい。
(本稿は『頭のいい人が話す前に考えていること』に関する書き下ろし記事です)
山守麻衣(やまもり・まい)
実績200冊超の書籍ライター
早稲田大学第一文学部卒業後、50代からのライフスタイル月刊誌『いきいき』(現ハルメク)の編集者として5年勤務。その後、独立。健康書、ビジネス書を中心に医師、教授、経営者、著名人の構成多数。自身と娘2人の中学受験を経験。自著に『ワーママ時間3倍術』。
実績200冊超の書籍ライター
早稲田大学第一文学部卒業後、50代からのライフスタイル月刊誌『いきいき』(現ハルメク)の編集者として5年勤務。その後、独立。健康書、ビジネス書を中心に医師、教授、経営者、著名人の構成多数。自身と娘2人の中学受験を経験。自著に『ワーママ時間3倍術』。









