指定校推薦組の大学での評価は?

では、指定校推薦で入学した学生は、大学でどう評価されているのでしょうか。意外に思われるかもしれませんが、指定校推薦の学生は大学で非常に良いパフォーマンスを示すことが多いのです。授業をサボらない、GPAが高い、就活も早めに動く――そういった傾向が強く見られます。

高校時代、先生に評価されるまで真面目にやり続けた経験があり、「高校の代表として来ている」という自覚もあります。決められたルールの中で努力し続ける力は、大学という組織の中では非常に強い武器になるのです。

そして、指定校推薦制度によって救われる層もいるのも見過ごせません。例えば、自分は人口がかなり少なく、近くに塾もなければ受験情報に詳しい先生もほぼいない学校から指定校推薦で都内の有名私立大学に合格した人から、こんなことを言われたことがあります。

「指定校推薦が否定されるのはわかります。でも、じゃあ、私はどうすればよかったんですか?」と。

例えば早稲田大学の合格者の8割以上は関東圏です。地方から一般入試で早慶に合格する難易度は、年々上がっています。塾の数、情報量、経済力などなど……。

「学力一発勝負は平等」という建前が、地方では通用しません。指定校推薦は、そうした環境差を部分的に埋める数少ないルートでもあるのです

指定校推薦は「悪」ではありません。ただし、指定校推薦が嫌われるのは、制度そのものよりも、不透明な運用、評価基準の歪み、情報開示の不足に原因があります。

同時に、この制度は、地方の生徒にチャンスを与え、大学では堅実に成果を出す学生を生み続けてもいます。指定校推薦とは、「ずるい制度」でも「救済制度」でもあります。だからこそ、感情論ではなく、仕組みと運用を分けて議論する視点が、今、強く求められているのだと言えるのかもしれません。

(この記事は『12歳から始める 本当に頭のいい子の育てかた』を元に作成したオリジナル記事です)