会社を伸ばす社長、ダメにする社長、そのわずかな違いとは何か? 中小企業の経営者から厚い信頼を集める人気コンサルタント小宮一慶氏の最新刊『[増補改訂版]経営書の教科書』(ダイヤモンド社)は、その30年の経験から「成功する経営者・リーダーになるための考え方と行動」についてまとめた経営論の集大成となる本です。本連載では同書から抜粋して、経営者としての実力を高めるための「正しい努力」や「正しい信念」とは何かについて、お伝えしていきます。
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内部環境分析とは、
自社の「強み」「弱み」を知ること
次に内部環境分析について説明をしましょう。
内部環境分析は、主に、ヒト、モノ、カネなどとともに、コンピュータシステムやノウハウ、お客さまとの関係など自社の資源をライバルと比べて分析することです。
そして、自社の「強み」や「弱み」を具体的、客観的に知ることです。
ここで重要なポイントは、他社と比べて「具体的に」どこが勝っていて、どこが劣っているのかを、正確に分析することです。
後のマーケティングのところで詳しく述べますが、お客さまは商品やサービスを購入します。
ですから、その商品やサービスで他社と差別化されていることが大変重要なのですが、そのためには、それを作り出し、支える、人材や製造装置、さらには資金などが必要です。それらを分析するのが内部環境分析です。
「強み」「弱み」分析とも言えます。
「ミッション、ビジョン、理念」をベースに、
差別化の方策を考えるのが戦略立案
さらには、ヒト、モノ、カネが十分に機能するためには人材を教育したり、獲得するノウハウや仕組み、装置を動かすノウハウなども当然必要となってきます。それらも内部環境分析の対象範囲です。
例えば、当社でお客さまの内部環境を分析するときには、「コスト」「人材(質、やる気、コミュニケーション等)」「教育制度」「設備」「情報システム」「財務内容」「ノウハウ」「その他」に分けて、それぞれの「強み」「弱み」を重要度とともに分析を行っています。
そして、それら内部資源がライバル他社と比べて、どれだけ勝っているのか劣っているのかを「具体的」に分析し、強化すべき点を知ったうえで、その強化を図らなければならないのです。
なぜ「具体的」にということを強調しているかは、お分かりだと思いますが、自社のこととなるとなかなか具体的、客観的には見えないものだからです。
また、「業界最高水準」といったような「測定不能」なものでごまかされることにもなりかねません。
目標設定では「メジャラブル(測定可能)」ということが大原則です。具体的に現状を知り、具体的な到達点を持つことが大切です。
以前に説明した「ミッション、ビジョン、理念」をベースにしながら、外部環境、内部環境を分析して、他社との差別化を図っていくための方策を考えるのが戦略立案なのです。
(本稿は『[増補改訂版]経営者の教科書 成功するリーダーになるための考え方と行動』の一部を抜粋・編集したものです)
株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO
10数社の非常勤取締役や監査役、顧問も務める。
1957年大阪府堺市生まれ。京都大学法学部を卒業し、東京銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。在職中の84年から2年間、米ダートマス大学タック経営大学院に留学し、MBA取得。帰国後、同行で経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、91年、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。その間の93年初夏には、カンボジアPKOに国際選挙監視員として参加。
94年5月からは日本福祉サービス(現セントケア・ホールディング)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。96年に小宮コンサルタンツを設立し、現在に至る。2014年より、名古屋大学客員教授。
著書に『社長の教科書』『経営者の教科書』『社長の成功習慣』(以上、ダイヤモンド社)、『どんな時代もサバイバルする会社の「社長力」養成講座』『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』『ビジネスマンのための「読書力」養成講座』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「1秒!」で財務諸表を読む方法』『図解キャッシュフロー経営』(以上、東洋経済新報社)、『図解「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書』『図解「PERって何?」という人のための投資指標の教科書』(以上、PHP研究所)等がある。著書は160冊以上。累計発行部数約405万部。




