中央・総武線の各駅停車(三鷹~千葉駅間)では、運転士がオーバーランなどの停車ミス、体調不良により乗務中断するケースが22年頃から相次いで報告されている。その数、24年までの3年間で約40件も発生。当該の運転士はいずれも旧・中野電車区に所属していることから、「中電病(なかでんびょう)」と呼ばれているという(朝日新聞)。
再開発が多いのに人手不足…
労働環境の悪化、高齢化への懸念
こうした問題の背景に、人手不足や労働環境の悪化が各方面から指摘されている。もともと鉄道の保守担当の技術者は、深夜・早朝の業務が中心なので生活が不規則になりやすい。それに加えて近年は再開発が多く、駅構内へのホームドア設置や、羽田空港アクセス線の整備など新たな工事案件も発生している。31年度の整備数は、21年比で約4倍になるという分析もある。
JR東日本に限った話ではないが、保守担当の技術者の高齢化は深刻で、線路や車両の整備などを担う技術者の多くは50代だ。今後10年以内に大量退職の時期を迎え、ただでさえ不足している人手がさらに減少することも考えられる。
運転士においても同様だ。以前から運転士に対しては、人や自動車などへの衝突を招くというプレッシャーに対して、待遇や休暇が見合っているかが問題視されていた。加えて近年はワンマン運転の普及によりICカードのチャージ操作などの業務も増え、マルチタスクによる負担増が懸念されている。
鉄道業界全体の人員不足は深刻で、28年度までに1万8400人程度、50年度には、鉄道運行に必要な鉄道員が2万4000人不足する可能性があるという指摘もある。
もちろんJR東日本も無策というわけではなく、夜間に行っていた保守点検作業を昼間時間帯にする、特定技能外国人受入れによる人員確保を進めるなどの対策を取っている。また、26年3月14日に実施される運賃の値上げは、改良・保守が大きな目的であることを前面に打ち出している。







