「大丈夫か、JR東日本」
特有の課題も指摘される
しかし、JR東日本に特有の労使の課題があるのを懸念する報道も目立つ。一例としてフリーライターの小林拓也氏によれば、JR東日本の現場からは、事業単位が大きく従業員がマルチタスクをこなさなければならないために職業の専門性が身に付きにくいといった問題が出ているという。そして、労働組合は多数派組合がなく、少数派組合が乱立しているという。
小林氏は、組織再編や新しい人事・賃金制度の導入により、乗務員への手当てが廃止されることなどを懸念。「現場で働く人と、会社とではだいぶ考えが異なってしまっているのではないか?」「大丈夫か、JR東日本」などと問題提起している。
こうした報道を見る限り、現場の労働環境が悪化し、作業ミスによる安全な運行が保障できない状況に陥っているのではないかと不安に思う。
かつてJR西日本では、懲罰的な「日勤教育」が実施されたことで運転士に過度なプレッシャーがかかり虚偽報告が多発していた。これは、05年に107人もの犠牲者を出した福知山線脱線事故の背景としても、よく知られている。
JR東日本の相次ぐ作業ミスも、何らかのマネジメント不備で起きている可能性があるとしたら――考えたくもないことだが、その場合、近い将来に重大な事故を招きかねない。
同社は現在、不動産や小売り事業、海外事業など新たな収益源の確保に力を入れている。それらに投資できるのは、鉄道事業で安全・正確な運行をして、安定的な収益確保ができているからこそ、である。
かつての国鉄のように労働組合が過度な要求を行い、乗客の不利益を招くような事態は避けなければならない。しかし少なくとも、従業員の労働環境を改善することでミスを減らし、乗客に安全で正確な運行を提供することが今のJR東日本には求められているはずだ。
【参考文献】
・謎の「中電病」 中央・総武線各駅停車で相次ぐ運転士の体調不良(細沢礼輝、朝日新聞)
・鉄道員、25年後に2万人足りず 止まるローカル線(日本経済新聞)
・トラブル多発・JR東日本の労働環境は? 仕事ではマルチタスクが求められ疲弊、労使の考え方が食い違う(小林拓矢、Yahooニュース)
・山手線「パンタグラフ大量破損」何が起きたのか 車掌が異変に気付き発見、ワンマンでも大丈夫?(小佐野景寿、東洋経済オンライン)
・運転士など人手不足に悩む鉄道会社 京王電鉄が打ち出した未来のための解決策とは(NEWSポストセブン)
・謎の「中電病」 中央・総武線各駅停車で相次ぐ運転士の体調不良(細沢礼輝、朝日新聞)
・鉄道員、25年後に2万人足りず 止まるローカル線(日本経済新聞)
・トラブル多発・JR東日本の労働環境は? 仕事ではマルチタスクが求められ疲弊、労使の考え方が食い違う(小林拓矢、Yahooニュース)
・山手線「パンタグラフ大量破損」何が起きたのか 車掌が異変に気付き発見、ワンマンでも大丈夫?(小佐野景寿、東洋経済オンライン)
・運転士など人手不足に悩む鉄道会社 京王電鉄が打ち出した未来のための解決策とは(NEWSポストセブン)







