JR東と伊藤忠が不動産事業で異例のタッグ!住宅事業は序章、会見中にこぼれた「さらなる提携」への意欲Photo by Yuito Tanaka

東日本旅客鉄道(JR東日本)と伊藤忠商事が不動産分野での提携を発表した。2026年春をめどに両社の不動産子会社を経営統合する計画で、JR東は念願だった住宅開発に本腰を入れる構えだ。一方で両首脳の発言からは、不動産にとどまらない幅広い連携の可能性もにじむ。連載『エアライン・鉄道の進路』の本稿では、業界を代表する大企業同士の協業が、今後どこまで深化していくのかについて深掘りしていく。(ダイヤモンド編集部 田中唯翔)

JR東と伊藤忠が提携発表!
不動産子会社を経営統合へ

 鉄道会社と総合商社の異例の提携が話題を呼んでいる。2025年12月23日、東日本旅客鉄道(JR東日本)と伊藤忠商事が共同記者会見を開催し、不動産事業分野で提携を検討すると発表した。

 具体的には、社有地開発や回転型ビジネスを担うJR東日本不動産と、分譲マンション「CREVIA(クレヴィア)」で知られる伊藤忠都市開発の経営統合に向けた協議を進める。早ければ26年春をめどに、新たな経営体制へ移行する方針だ。

 人流がストップして鉄道事業が大打撃を受けたコロナ禍以降、JR東は“非鉄道事業”の拡大を進めてきた。その中核として不動産事業の再構築に本腰を入れている。

 もっとも、JR東の不動産事業は駅前のオフィスや商業施設、ホテルなどの賃貸ビジネスが中心で、これまで住宅分野は手薄だった。今後は伊藤忠と提携し、分譲住宅のように付加価値を高めて売却し、その収益を次の不動産投資に回す「回転型」のビジネスモデルの展開を加速させる。同社は回転型ビジネスをグループ全体の成長のエンジンと位置付けており、そうした取り組みを通じて不動産事業の領域拡大を狙う。

 不動産事業での提携が注目を集める両社だが、記者会見ではそれ以外の分野での連携にも踏み込む場面があった。このタッグは、単なる不動産再編では終わらない可能性を秘めている。次ページでは、両社が視野に入れる“次の一手”と、その先に描くJR東の成長シナリオに迫る。