グリーンランドの中心都市ヌークの港に停泊する、雪に覆われた船
【ヌーク(グリーンランド)】ドナルド・トランプ米大統領がデンマーク自治領グリーンランドを取得すれば、年間10億ドル(約1580億円)超の政府補助金に大きく依存し、エビの販売が主な産業である低成長経済のかじ取りをすることになる。
世界最大のこの島に対してトランプ氏は、一生に一度あるかないかの不動産購入になると意欲を示している。同島が誇れるのは、戦略的な立地にあることと、氷の奥深くに未開発の鉱物資源が眠っていることだ。
だが現時点で、グリーンランド経済はもっと平凡なものに頼っている。それは漁業と、新空港建設に向けた最近の投資急増だ。この双方から得る収入は下降線をたどっており、2025年のGDP(域内総生産)は前年比ほぼ横ばいに終わった。
近年の世論調査で、グリーンランドの住民は一貫して、米国などの外国勢に乗っ取られることよりも、経済の現状に強い懸念を抱いていることが示された。
グリーンランド当局者は、同島を統治する者が誰であれ、少なくとも短期的には金鉱よりも金食い虫を目の当たりにする可能性が高いと、静かに認めている。
グリーンランドは世界最大級の「福祉国家」と言える。氷に覆われた村々が広大な地域に点在しており、住民はヘリコプターとプロペラ機しか交通手段がないにもかかわらず、医療費無料や充実した学校といったデンマークの社会民主主義の恩恵を享受している。また輸出の98%を水産物が占める同島の経済を鉱業によって巨大経済に変貌させるためには、何年もの歳月と何十億ドルもの費用がかかる可能性がある。







