博士号を持つ経済学者の就職市場の厳しさは広範囲に及んでいるPhoto: Lucía Vázquez for WSJ
経済学者たちは、今の米国の就職市場は厳しいと指摘する。彼ら自身も実感している。若い経済学者にとって、記憶にないほど最悪の市場になっていると。
経済学分野の就職市場は、複数の要因が重なり打撃を受けている。米連邦政府の資金に対する懸念から、多くの主要大学が採用を削減、あるいは凍結している。連邦政府内の職は枯渇した。ここ数年、エコノミストの需要が旺盛だった民間部門も採用を控えている。
シラキュース大学の経済学者で米国経済学会(AEA)の就職市場委員会委員長を務めるジョン・コーリー氏は「まさに最悪の事態だ」と述べた。
博士課程を修了する学生にとって厳しい就職市場は、経済学に限ったことではない。経済学者の特異性は、労働市場の仕組みを測定・理解することに強い関心を持つ点にあり、その知見を自らの職業に生かしていることだ。その結果、経済学の博士課程学生は、AEAのデータと大学院で得た知識を武器に、政治学、哲学、生物物理学の学生よりも、自分たちが直面している環境をはるかに正確に把握している。
AEAは、「Job Openings for Economists(JOE)」というネットワークを通じて、経済学分野の求人の主要な情報交換所として機能している。米国内外の機関がそこに求人情報を掲載している。
求人数は大幅に減少している。AEAの集計によると、2025年12月時点で博士号を持つ経済学者の求人数は1773件だった。これは、経済学者の需要がすでに低迷していた1年前の水準を下回っただけでなく、新型コロナウイルス禍が市場を揺るがした20年の同時期と比べても約20%減少している。
このデータは、大学院生が見つめる(あるいは見つめない)ために、AEAのウェブサイトに掲載されている一連のグラフに含まれている。
ボストン大学の博士課程学生で就職活動中のダニエル・グレイブス・ウィリアムソンさんは「グラフは見ない、5月までグラフは存在しないという人もいる」と語った。このデータは自身を含む他の学生にとって慰めになるという。なぜなら、希望通りの仕事に就けなかったとしても、自分だけではないことが分かるからだ。
厳しい状況は広範囲に及んでいる。AEAによると、フルタイムの学術職の求人数は前年比33%減少している。連邦政府の求人はわずか24件で、1年前の84件から減少した。ビジネス・金融分野の求人数は3年連続で低調だ。








