株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか?「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ──世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

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売りの判断で重要になる「売買高」という視点

 買った株が上昇し、「よし、うまくいった」と感じた直後、次に誰もが迷うのが「どこで売るか」という問題です。実はこの売りの判断は、買い以上に難しいと感じる人も少なくありません。

 窪田さんが、売り判断の重要な根拠として挙げているのが「売買高」の変化です。

高値圏で大商いが続いていた銘柄の売買高が、​売買高が徐々に減少していく場合には、『売りシグナル』が出ます。人気が離散し、下落が続く可能性が高まっていると判断できます」(『株トレ』より)

 株価が上昇する際に売買高を伴っていれば、多くの投資家が参加し、人気が高まっている状態だと分かります。ですが、その売買高が落ち込み、株価が下落し始めた場合、「買いたい人が減ってきた」ことを示唆しているのです。

 では次に、チャートを見ながら、考えてみましょう。

似ているチャートでも、判断は正反対になる

 O社の株を1年前に1,000円で購入し、一時は1,500円まで上昇しましたが、その後、株価はやや下落しています。

 ここであなたは保有し続けますか? それとも売りますか? チャートを見て判断してみてください。

「今売るべき株」と「売ってはいけない株」投資で資産を増やすために知っておきたい1つの視点1年前に1,000円で買ったO社株のチャート

 窪田さんは、このチャートは「売り」の判断だと言います。売買高が一気に減少しており、人気が離散していることが分かるからです。

 さらに、13週移動平均線、26週移動平均線の両方が下向きに転じつつあります。この先、下落が加速する可能性もあるため、「売っておいたほうがよい」という判断になります。

 では、もう一つ別の株価チャートを見てみましょう。

 P社の株も、同じく1年前に1,000円で購入し、一時は1,500円を突破しましたが、その後、やや値下がりしています。

「今売るべき株」と「売ってはいけない株」投資で資産を増やすために知っておきたい1つの視点1年前に1,000円で買ったP社株のチャ 

 先ほどのO社のケースが「売り」だったなら、こちらも同じく売りだと思いませんでしたか。含み益が「絵に描いた餅」になる前に、株価が上がったら早めに利益確定したい――そう考える人は少なくありません。

 しかし、P社の場合は状況が異なります。26週移動平均線は上向きを維持し、売買高も高水準を保っています。つまり、上昇トレンドはまだ崩れていないのです。

 こうした銘柄を安易に手放さず、長く持ち続けることこそが、株で資産を増やすためには欠かせない、と窪田さんは強調しています。株価が2倍になる可能性のある銘柄を、20%や30%上がっただけで売ってしまっていては、大きなリターンは得られないのです。