ただ、それだけではなく、どの大学の学内セミナーに参加するか、どの大学とコラボ企画をするかなどの優先順位付けが行われる。大学のキャリアセンターを覗いてみると明らかだ。ほぼ偏差値に応じて、やってくる企業の知名度は変化する。

 もちろん、日本には約820校の大学があり、そのすべてをまわるわけにはいかない。企業の採用戦略とも言える。ただ、ここでの力関係が存在することも確認しておきたい。

中小企業の人事担当者が
大学のキーマンに挨拶まわり

 大学の姿勢も異なる。企業に対して高圧的に接する大学、対等な関係で接する大学、ひたすら下手に出る大学がある。たとえば、明治大学などは昔も今も、ひたすら企業と対等な関係で接する大学であると私は評価している。

 学内企業説明会へのエントリーも、採用実績や学内での説明会開催の実績があろうとなかろうと、毎年、締切日までに申し込み、抽選、調整結果を待たなくてはならない。既存のスケジュールでは合わない、変えてほしいと人気のある大手企業が交渉してきても、この日程内で合わせてほしいと依頼する。

 ひたすら下手に出る大学もある。学内企業説明会のたびに豪華な弁当を用意する上、謝金や車代を出してくる大学や、長距離移動のためのタクシーを用意する大学もある。

 圧巻だったのが、「交流会」「懇親会」「意見交換会」という名の名刺交換会、接待パーティーだ。ホテルの宴会場や、学内の厳かなホールなどで開かれる。

 学長、キャリアセンター長の挨拶の後、ビュッフェ料理が振る舞われ、名刺交換会が行われる。呼ばれる企業、呼ばれない企業の選別はもちろんある。なんとか学内のキーマンに挨拶し、学内セミナーなどを実施する権利を勝ち取ろうと、名刺交換の列にならぶ。

 大手企業、人気企業の担当者は必ずしもやってこない。来ても、参加したという履歴をつくり、大学関係者の一部、人事界のキーマンに挨拶、情報交換をしたらすぐに帰っていく。

 人事をしていた頃はそういう光景をよく目にした。