求人環境の変化も影響するので、単年度の就職実績だけを表記すると、むしろ就職先の実態を理解しにくくなるとも言える。とはいえ、ここに誇張ともいえる表現があり得ることは認識しておきたい。
入試広報の資料でアピールするのは就職率、就職実績だけではない。キャリア教育、就職支援の体制、企業と連携したインターンシップなど独自のプログラムが充実していることがアピールされる。
『日本の就活――新卒一括採用は「悪」なのか』(常見陽平、岩波書店)
端的に言うならば、いかにキャリア形成支援を行っているか、就職に強いか、面倒見がよいかがアピールポイントとなる。
著名な方を含め、大学教員が就活批判、新卒一括採用批判を繰り返しているのだが、一方で大学は就職実績のアピールで延命しているのではないだろうか。
仮に大学生が卒業後に就職活動を行うようになったとしよう。そのときに何が起こるか。
「学業阻害」を防ぐことができる一方、大学での教育の成果が厳しく問われることになる。大学は「就職実績」というアピールポイントを手放すことになる。
就活、新卒一括採用を悪者にしつつ、これにより教育の成果を曖昧にし、さらには就職実績を巧妙に活用することにより、日本の大学は延命してきた。この共犯関係にこそ注目するべきである。







