【解説】「暴落」は恐怖ではなく「バーゲンセール」
この投資哲学は、単なるテクニックではなく、投資家としての「器」を大きく広げるための重要な指針です。ここでは、市場の波に翻弄されず、着実に資産を築くために、もう少し深掘りして解説していきましょう。
スーパーマーケットで考えてみてください。いつも買っている高級ステーキ肉が、賞味期限の問題ではなく、単にお店のリニューアル記念で半額になっていたらどうしますか?「肉の価値が下がった」と不安になって逃げ出す人はいないはずです。「ラッキー! 今のうちに買いだめしておこう」と喜んでカゴに入れるでしょう。
株式投資も本来は、これと同じです。企業の本質的な価値(稼ぐ力や保有資産)が変わっていないのに、市場の雰囲気だけで株価が下がっているなら、それは「バーゲンセール」です。この思考の切り替えができるかどうかが、勝てる投資家と、狼狽売りをしてしまう投資家の分水嶺となります。
「株価」と「価値」を切り離して考える癖をつけることが、暴落時に笑顔で買い向かうための第一歩です。
資金効率を最大化する「わらしべ長者」戦略
「株価が上がって利回りが下がったら売る」という考え方は、資金効率(資本の働き)を常にベストな状態に保つための高度な戦略です。
例えば、配当利回り5%で買った株の価格が2倍になったとします。今の株価で計算し直すと、利回りは2.5%に低下しています。もちろん、そのまま持ち続けても良いのですが、もしその資金を売却し、再び別の「利回り5%の割安株」に投資し直せばどうなるでしょうか?
手元の資金(元本)は増えているうえに、受け取れる配当金の額も一気に跳ね上がります。
一つの銘柄に固執するのではなく、「その時々で最も効率よく働いてくれる場所」へ資金を移動させていく。これはまさに、資産を雪だるま式に増やしていくための「わらしべ長者」のような戦略と言えるでしょう。
許せる減配、許せない減配の境界線
減配(配当金が減ること)はショックな出来事ですが、そこで感情的にならずに「なぜ減ったのか?」を分析することが重要です。
著者が言うように、利益に連動して配当を決める「配当性向」をルール化している企業であれば、業績悪化に伴う減配は「約束を守った」結果であり、むしろ誠実な対応です。景気循環株(シクリカル銘柄)などではよくあることで、景気が戻れば配当も戻ります。
一方で、警戒すべきは「配当性向のルールを無視した減配」や「本業の競争力が失われたことによる慢性的な減益」です。これは企業の構造的な問題を示唆しており、「一時的な我慢」では済まない可能性があります。
「数字(減配)」という結果だけでなく、「背景(理由)」を見る。このひと手間を惜しまないことが、長期的に安心して保有できるポートフォリオを守る盾となるのです。
※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。








