怒りの感情をこじらせないためには「初期消火」が大切ですが、我慢も同じです。持続的にストレスがかかり続けると、心も体も傷み、病んでしまいます。

 理想は、「直談判」です。我慢が限界に達する前に、相手に直接、言葉にして伝えることです。

「自分には、言えない……」「直談判なんて、できない」と言う人は、

「本当に言えないのだろうか?」

「言えないと思い込んでいるだけではないだろうか?」

 と自分に問いかけてみてほしいのです。

 相手は聞く耳をちゃんと持っているかもしれません。きちんと伝えれば理解してくれる人かもしれません。

 勝手に「言えない」と思い込んでいるだけかもしれません。

「言えない壁」は、じつは自分の中にあったりするのです。

「怒り帳」をつくろう

「怒り」を感じたとき、私の場合、どうしているかをお教えします。

 お経を唱えます。

 読経には、じつに心を鎮め、平安に導いてくれる力があります。

 なぜか。脳の前頭前野が活性化して、「幸せホルモン」といわれる脳内物資である「セロトニン」が分泌されるからです。

 また、怒りや鬱憤がたまり、ぶちまけたくなったら、

「怒り帳」

 とでもいうべきものをつくって書き出すのも効果的です。

 そのときのポイントは、最後に、

「○○と、私は、思っている」

 という一文を付け加えることで、自分の怒りを客観的に見るようにするのです。こんな感じです。

「あいつは本当にとんでもないやつだ。自分勝手で感謝もない。人を利用するばかりで自分はうまく逃げやがる。絶対に許せない! と、私は、思っている」

 と、こんな具合です。

 そうすることで、まず「自分の心を観察している」という感覚が生まれます。ちょっと難しい言い方をしますが、「生じた感情の主人公が自分であることが明確化」されます。

 つまり、「怒りをぶちまけている自分を、自分が見ている」メタ認知の状態になるのです。すると、怒りの渦から抜け出せる可能性が生まれます。

「怒り帳」はちょっとした時間でできて、手間もかからずに自分の心を観察する力が養われます。感情をコントロールするいい訓練になりますので、おすすめします。

怒りっぽい人はみな疲れている

 また、疲労と怒りは、密接な関係にあります。

 疲れていると、怒りっぽくなるのです。

 また、疲れていると思考もうまく働きません。その状態でつらつら、うつうつ考えても前向きな言動は出てきません。これは人間関係にも悪影響を及ぼします。疲れていると、いい人間関係もつくれないのです。

 これを避けるには、シンプルに「よく眠る」に尽きます。