新しいマネジメントの教科書#13
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リモートワークが主体の働き方で部下の“顔”が見えない中、管理職はいかにして部下の体調変化を察知するか?さらにこれからは、メンタルケアは管理職の必須スキルとなる。特集『新しいマネジメントの教科書』(全18回)の#13では、日清食品HDが在宅勤務者全員を対象に配布したある器具について、TOTOが行った管理職自身のメンタルケアも含めた部下のメンタルヘルス研修の中身、リモートワークの環境を最大限に生かしたリコーの取り組み事例から、コロナ禍における従業員のメンタルケアや健康管理を学ぼう。(ダイヤモンド編集部 山出暁子)

「コロナ鬱」「テレワーク鬱」に
いかに対応するか

 新型コロナウイルス感染拡大によって、働き方に大きな変化が起こった今年の春以降、メンタル面での不調を訴える人が増えている。新たな働き方の中で経営者はいかに生産性を上げるかばかりに目がいきがちだが、そもそも、働く従業員たちが十分に力を発揮できる健康状態でないと、どんな働き方であっても生産性は上がらない。

 近年、厚生労働省の方針によって、従業員のメンタルケアが促進される機運自体は高まっている。管理職研修などにも部下に対するメンタルヘルスのマネジメントは組み込まれているだろう。だが実際のところ、日々の業務ではそれほど意識されてこなかったのではないだろうか。

 しかし、このコロナ禍で、多くの企業がこれまで叫ばれてきたテレワークの必要性を痛感し体制づくりに本腰を入れたように、従業員のメンタルケアもいよいよ本格的に取り組むべきものとなっている。「コロナ鬱」「テレワーク鬱」などの深刻な事例が数多く報告されているためだ。

 実際、企業は従業員のメンタルケアでどのような取り組みを行えばよいのか。

 経済産業省が優れた健康経営を行っている企業を認定する「健康経営優良法人ホワイト500」の一社でもある日清食品ホールディングス(HD)は、今年8月にその名もズバリ「テレワーク うつ予防チーム」を発足させた。

次ページでは、日清食品グループが在宅勤務者全員に配布した“秘密兵器”を使った予防策に加え、TOTOが実施した部下のみならず管理職自身も含めたメンタルケア、リコーが企画したリモート環境を最大限に生かす取り組みについて具体的に紹介する。