
「まだ収まってはいないのです」
一方、雨清水家。
勘右衛門(小日向文世)がやって来た。
三之丞(板垣李光人)とは久しぶり。三之丞は熊本に行く気らしく、行ったらみんなで一緒に暮らせると思っている。
タエ(北川景子)が現れ、ここではじめてトキの洋妾騒動の際、タエや勘右衛門が何をしていたのか、あのトキを励ますパーティーのようなものにも参加していなかった理由が語られる。
「一刻も早くおじょの元へ飛んで行ってやりたかったのですが、ペリー(ヘブンのこと)に世話になっちょるわしが顔を見せては、火に油を注ぐことになるとおタツ(朝加真由美)に止められ 泣く泣く、遠くより火が収まるのを待っておった次第です」
「私もです。へブンさんからお金をもらっていることを新聞にでもかぎつけられたら」
いやいや、もし本気になれば梶谷(岩崎う大)はそれくらいすぐ気づくだろう。でもそこはドラマ。そうはならない。
「よかったですよね。騒ぎが収まって新聞におトキの名前が出ることも、もうありませんし」と三之丞がのんきだが、「まだ収まってはいないのです」とタエ。
「ペリーのやつもおそらく……」と勘右衛門。
ふたりとも、世間知らずではなく、逆に世間というものをよく知っている。洞察力が鋭い。
「まだ収まってはいないのです」というタエの言葉が心配だ。
その頃、トキは布をかぶってお買い物。タエの予測どおり、お店の人は商品を売ってくれない。みんな彼女を白い目で見る。過呼吸になるトキ。やっぱりまだ収まっていなかったのか。
……と思ったら、それはトキの妄想だった。
誰もトキを悪くは言わないけれど、トキは疑心暗鬼にかられてみんなから逃げるように走って通りを抜け、山橋薬舗に駆け込んだ。
2階の白鳥倶楽部に上がると、サワ(円井わん)が明るく迎えてくれる。
だが新たな部員がいて、トキに好奇の目を向ける。ここも安住の場所ではないのか。
幸い、以前からのメンバーがトキをかばって新部員を遠ざけ、ようやくトキはゆっくり座って、お菓子の包みを開く。
サワとお菓子を食べながら熊本行きを相談。
「ずーっとおサワのそばにおりたい」とトキが言うと、サワは、知っている人がいないところにいけるのが羨ましいと言い出した。
「正直、ずっとここにおるの疲れてきたけん おトキは疲れん?」







