加奈子さんが明彦さんの顔を見ると、明彦さんが力強く頷きました。

「あと、ちゃんと1人で出来た時には必ず誉めてあげて下さい。子どもは、誉められた行動を増やしてゆくものです。誉められて嬉しくなって、もっと誉めて欲しいからその行動を増やしてゆきます。だから大人は子どもがどんな行動が出来るようになったか、どんな行動をやめるようになったか、変化に常に気づいてあげなくてはいけないんです」

 私がそう言うと、分かりました、と加奈子さんが言い、明彦さんも、

「さっそく今日、息子と話してみます」

 と言ってくれました。

 その後、息子さんは朝の準備はほぼ自分で出来るようになったとの事。

「宿題も、終わったら私に見せるようにと言って、1人でやらせてます。やらなかったら、自分で先生に『忘れました』と言わせるようにもしています」

「ぐずっていると手伝いたくなりますけど、我慢してます。『明彦さんの子なんだから大丈夫』って頭の中で繰り返して」

 カウンセリングで言われた事を頭の中で繰り返す。それが自分自身を変えていくのです。