25年12月時点で172路線ある日中路線のうち、日系航空会社が運航するのは5社合計で27路線とシェアはわずか15%に過ぎない。特にJALやANAが運航するのは北京、上海、広州などの路線で観光が自粛されてもビジネス客の需要がある。LCCのピーチやジェットスター・ジャパンも上海便があるのみ。スプリング・ジャパンは影響がありそうだが、ヤマト運輸の貨物便を担当するなどで当座をしのぐもようだ。
むしろ中国の航空業界がダメージを受けているだろう。観光需要が大きいうえに相手国側の就航数が限られる日本ほど都合のいい市場は存在しないからだ。
日本観光の代替となった韓国と中国を結ぶ路線は、韓国側も大韓航空を始め中国路線を多く飛ばしているため、日中路線ほど中国側のシェアは高くはない。タイやマレーシア、シンガポール路線も同様だ。
気がかりなのは、中国側は羽田空港への路線については季節減便にとどめて発着枠は維持している。訪日自粛が長引けば、「とても貴重な羽田枠が活かしきれない」という大問題も生じる。ちなみにウクライナ戦争が始まって以降、休止しているロシア路線も同様だ。この点は日本側の損失といえる。
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中国人の訪日需要以上に
日本人の訪中需要が減少する
筆者は、中国人の訪日需要以上に、日本人の訪中需要が減少すると考えている。もともと観光目的の訪中は多いとは言えなかった。
しかし、中国は長い歴史と広い国土が特徴で、万里の長城をはじめ世界遺産も多い。各地に名物料理があるなど食文化も豊かだ。しかも今の中国はデフレ気味。外食費や宿泊費も日本より安く、コスパ抜群の観光地としてのポテンシャルは高い。訪中ビザ免除が再開された24年11月末以降は、ディズニーランドのある上海が注目されている様子も見受けられた。
しかし今、中国旅行の情報は激減し、再び「近くて遠い国」に戻った印象だ。







