応援演説をする高市早苗首相川崎市内で自民党候補者の応援演説をする高市早苗首相 Photo:JIJI

「円安ホクホク」発言で露呈した、高市政権の時代錯誤な認識。みずほ銀行が「前時代的」と断じた通り、円安で国内投資が戻る神話はすでに崩壊しています。では、なぜ企業は日本国内にお金を落とさないのか? その真因は、退職代行「モームリ」社長逮捕と米AI株暴落という、一見無関係な2つの事件から見えてきます。積極財政が無視し続ける、日本経済の“構造的欠陥”を解き明かします。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)

連載『今週もナナメに考えた 鈴木貴博』をフォローすると最新記事がメールでお届けできます。

するどい!ホクホク発言に
みずほ銀行が反論レポート

 1月31日に高市首相が行った街頭演説の内容が波紋を広げています。「円安ホクホク」発言が直後に拡散し、直前のアメリカのベッセント財務長官の「為替介入はしない」発言とセットになり、一気に円安が加速しました。

 その後、高市首相は本意が伝わらなかったとしてXで発言について釈明します。本当に言いたかったことは円安メリットではなく、為替に左右されない経済構造を目指すということだと主張したのです。

 これに対して2月2日にみずほ銀行がレポートで反論します。「高市演説を受けて~危うい現状認識~」という刺激的なタイトルのレポート(https://www.mizuhobank.co.jp/forex/pdf/market_analysis/econ2600202.pdf)ですが、プロの間で評判が高いのはその中身が的確だということです。

 レポートを書かれたのは、みずほの有力なアナリストの唐鎌大輔氏です。演説の中で高市首相も「円高がいいのか、円安がいいのかわからない」と率直に語っていることを指摘したうえで、(市場には)円安容認と受け取られたが、国内投資を中心とする経済構造になれば今のように為替に振らされることはない状況が手に入ると言いたかったのだろうと論じています。