なぜ企業の国内投資が増えないのか?についてはあたりまえの事実があります。そもそも日本経済は少子高齢化で消費市場は縮小傾向、労働市場では人手不足というハンディを負っています。ですから、「日本とそれ以外のアジア、どっちに投資をする?」と経営者に訪ねると、ハンディの少ないアジアの方が魅力的な投資先になります。なにしろ人口は増え、消費市場も拡大しています。現地の優秀な若手従業員も確保できます。

 ですから日本政府は企業に日本国内に投資してもらうために「ニンジン」を用意しなければいけません。ハンディがある市場に投資をしてもらうための伝統的なツールが3つあります。税の優遇と補助金、規制緩和です。

 過去の自公政権でばらまき政治が続いたにもかかわらず、結局国内投資が増えていないという事実があるということは、そのニンジンが機能していないという現実があるということです。

 じゃあどうするのか?もっと企業に対して税の優遇をして、もっと補助金を増やすという対応では、そのツケで将来国民の負担はさらに増えてしまいます。それでお金を使わずに投資を増やすのに一番効果がある規制緩和が論点になります。

モームリ社長逮捕から見える
積極財政の構造的欠陥

 たまたま今週、この話を説明するのに適切な事例というか「事件」がふたつ起きました。そのうちひとつは非常に小さな世界の特殊な話です。しかしこれらの話を具体例として深掘りすると、なぜ日本経済で国内投資が増えないのかが見えてきます。

 ふたつの事件のうちのひとつは、刑事事件そのものの案件で、モームリの社長が逮捕されたという事件です。もうひとつはアメリカのAI大手アンソロピックが発表した新商品で、アドビやセールスフォース、サービスナウといったアメリカのソフトウェア企業の株価が暴落したという事件です。一見、高市首相には関係なさそうなふたつの事件ですが、実は根っこがつながるので、ちょっとだけ辛抱して聞いてください。

 退職代行大手のモームリの社長が逮捕された理由は、法律で禁止されている弁護士への「周旋」を行った容疑です。